群馬の高校野球2023夏 前橋商業高校編③ 真藤允宗

自分のやるべきことをしっかりやって、いい結果を残したい。チームを戦う集団にして夏に挑む。

真藤 允宗(しんどう・まさむね)
3年・内野手・主将
2006年3月6日生まれ、渋川ボーイズ出身(渋川市立子持中学校)、175㎝・74㎏、右投右打

――今春の大会では、前橋育英にリードしながら8回に4点を取られて6-7で逆転負けを喫しましたが、3点リードしていた中で隙のようなものがあったのですか。

8回の守備でエラーが出て逆転されてしまっているので、勝てるという気持ちが油断につながったのかもしれません。終盤だったので集中力が欠けてしまったり、ピッチャーの四球が続いてしまったりと、ズルズルと点を奪われてしまいました。

――悔しい負け方でしたが、逆に夏に向けての課題が明確になったんじゃないですか。

終盤の1球のミスで勝負が変わってしまう。それが春の大会を通じて分かったことなので、練習試合や練習から、チーム全体で、特に終盤で集中力を切らさないように取り組んでいます。

――練習試合はどれぐらいの頻度でやっているのですか。

平日はたまにで、土日は全部、練習試合です。県外にも遠征に行っていて、春の大会が終わってからは、小山高校に遠征に行ったりしました。常総学院や文星芸術大学付属、国学院久我山とも練習試合をする予定だったんですけど、雨でできませんでした。常総との試合がなくなった時は高崎商大附属高校のグラウンドに行って、商大附と新潟の中越高校と練習試合をしました。

――練習試合を通じて、夏へ向けての手応えはありますか。

あります。冬からの課題だった攻撃力が今になって増してきて、試合序盤での得点が多くなってきたので、そこから自分たちのリズムで試合を進めることができるようになりました。

――春の大会での前橋育英戦の結果を見ると残塁数が多いので、チャンスで1本が出ないことも課題だったのでは?

そこもだいぶ解消してきています。今ではチャンスで1本出ているので、打線がかみ合えば大量得点も狙えると思います。

――キャプテンの立場で見て、春の大会以降、チームの成長をどんなところで感じますか。

冬前と比べて、チーム全体の意識の高さや雰囲気は格段によくなっているなと感じます。夏の大会は一発勝負の緊張感がある中で、いかに自分たちのプレーができるかが大事になると思います。

――練習を見ていると、選手一人ひとりから緊張感が伝わってきますが、キャプテンとしてチームをまとめる上で心がけていることはどんなことですか。

常に練習から大会を意識して、ダメなところはチームメイト同士で指摘し合ったり、一緒に考えたりしながらやることを心がけています。

――真藤君の代になってから、そういう雰囲気を作ろうと?

そうです。昨秋の大会の3回戦で市立太田と対戦して、9回に6点差をひっくり返されて9-10で負けたんですけど、そこから何かを変えないといけないと思い、練習から緊張感のある中で取り組むようになりました。そのために「誰でも思ったことを言い合える環境を作ろう」とミーティングで常にチームメイトに話していました。

――チームのスローガンを教えてください。

「挑(いどむ)」です。自分たちの代は試合での実績がないチームなので、「初戦から相手に挑むというチャレンジャー精神を常に忘れずに」という思いで、このスローガンに決めました。

――須藤君はショートを守っていますが、自身の守備での持ち味はどんなところだと思いますか。

肩の強いところです。

――捕球してから投げるまでが速い?

はい。若干、グローブを正面にしすぎないで斜めにして、小指と薬指のラインでゴロを獲るように変えてから、ゴロを取るスピードが格段に速くなりました。いろんな人のアドバイスを受けて、自分の中でいいなと思うものをいろいろ試してその中で一番いいなと思ったものを取り入れました。

――守備で参考にしているプロ野球選手はいるのですか。

いないんです。守備では自分の色を出しています。

――打者としてもチームの4番を打っていますが、バッティングの強化はどのように取り組んでいるのですか。

バッティングでは、自分の形で強く振ることを心がけています。

――打者としての自身のいいところはバットを強く振るところですか。

はい。あとは、コースに逆らわずに広角に打てるところです。

――バッティングで参考にしている選手はいますか。

メージャーリーグの選手になるんですけど、ニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジ選手です。バットをコンパクトに振っているんですけど、すごい打球が飛んでいったりするんです。あとは、体の使い方はすごいなと思います。

――ところで、強豪私立ではなく、なぜ前橋商業で野球をやろうと思ったのですか。

私立に行く選択肢もあったんですけど、2019年の夏の決勝戦(前橋商VS前橋育英)を見て、公立高校に入って甲子園に出たいなという気持ちが強くなりました。

――最後に夏の目標を教えてください。

まずはチームが勝つために自分ができることをしっかりやって、結果としていい成績が残せればいいかなと思います。個人としては、打率5割は打ちたいですね。ホームランも狙える時は打っていきたいです。


<了>