群馬の高校野球2023夏 前橋育英高校編④ 塩谷浩政

バッティングではつなぐことを意識し、俊足を生かした守備範囲の広さで、この夏、チームの優勝に貢献する。

塩谷浩政(しおや・こうせい)
3年・外野手
2005年9月16日生まれ、高崎中央ボーイズ(高崎市立群馬中央中学校)出身、169㎝・60㎏、左投左打

――夏の大会まで1カ月を切りました。今日(6月8日)は何時まで自主練習をする予定なのですか。

 午後8時前ぐらいまでです。

――自身の強化ポイントはどこですか。

 バッティングです。自分の中でバッティングは短所だと思っています。

――春の大会でもバッティングが課題だったのですか。

 自分はつなぐ役割なので、それができなかったのを悔やんでいます。

――春の大会で印象に残っている試合はありますか。

 準決勝の健大戦です。全員で戦うことを意識していますが、9回表には(一挙4点を挙げ同点に追いついたのは)それができていました。一方で、9回裏に先頭バッターに打たれて、守備のミスからサヨナラ負けをしたのは、自分たちの中に焦りがあったのかなと思います。

――春の健大戦から得たものは何でしょうか。

 いつも通りのプレーをすることが大事だと感じました。自分たちは守備に重点を置いた練習をしているのですが、さらに守備を磨くことの大切さを学びました。

――塩谷君の得意としているプレーを教えてください。

 守備と走塁なんですが、もっと伸ばしていきたいと思っています。

――俊足だと聞いています。50メートルのタイムはどれぐらいですか。

 5秒9です。

――小田島君とどっちが速いのですか。

 小田島の方が足が速いです。

――守備範囲が広いのも塩谷君の持ち味ですが、広い範囲を守るためにしていることはありますか。

 打球に対しての1歩目を意識したり、打球がこっちに来そうだなという雰囲気を察したり、ポジションを取る時に大胆に動いたりして守っています。

――打球が大体どこに飛ぶのかは、どのように予測しているのですか。

 ピッチャーが投げるボールに対して打者のタイミングが合っているかどうかや、ファウルの方向などから判断して動くようにしています。

――守備で参考にしている選手はいるのですか。

 参考というか、憧れている選手は、もう引退してしまったんですけど、ロッテにいた岡田幸文選手(50メートル5.6秒の快足で、ゴールデングラブ賞を2度受賞した外野手)です。YouTubeで岡田選手の守備の動きを見ながら参考にしています。

――では、バッティングで参考にしている選手は?

 ソフトバンクの近藤健介選手です。打率が高い選手なので、自分も近藤選手のように打てるようになりたいと思い、近藤選手のスイングの軌道などを映像で見たり、自分と近藤選手のスイングの映像を比べたりしながらバッティングの強化に取り組んでいます。そのおかげで、バッティングのスイングがだんだんと良くなってきているので、夏は4割を打ちたいと思っています。

――夏の大会で、対戦したいチームはありますか。

 決勝戦で健大ともう一回、戦いたいです。

――塩谷君にとっては、健大のどの部分が手ごわいと感じますか。

 投手力です。春は、健大の小玉湧斗投手をなかなか打ち崩せなかったので、夏は絶対に打ち崩して勝ちたいです。
 チーム全体の課題がバッティングなので、チーム全員で意識を高く持って、バッティングを強化したいと思います。

――ところで、なぜ前橋育英で野球をやろうと思ったのですか。

 小学校3年生の時に、前橋育英が甲子園で優勝したのを見て、自分もここで野球がしたいと思ったのがきっかけでした。

――前橋育英に入って、よかったなと思うところを教えてください。

 野球の技術だけじゃなく、人としても成長できているところです。

――練習を見ていて思うのですが、皆、生き生きとして練習に取り組んでいる姿が印象的です。このチームの良さとはどんなところでしょうか。

 自分たちは雰囲気を大切にしながら練習しています。雰囲気を悪くせずに良くしていくことを1つ上の先輩の代から意識していて、新チームではさらに雰囲気を良くしていこうとしています。

――チームのテーマはありますか。

 自分たちで決めたテーマというか、決めた言葉が「覚悟」なんです。覚悟を持って戦い、戦うからには覚悟が必要だということです。春に健大に負けたのは、自分たちの覚悟が足りなかったのだと思います。

――将来の夢を教えてください。

 大学に進学してから、社会人野球でプレーしたいと思っています。

――最後に、夏の抱負お願いします。

 バッティングではつなぐことが自分の役割だと思っているので、しっかりつなぐことと、守備では俊足と打球の予測という自分の持ち味を発揮していきたいです。

<了>