群馬の高校野球2023夏 桐生第一高校編③ 星野竜河

兄弟3人がキャッチャーという野球一家。忙しい中でも練習に付き合ってくれた父を甲子園に連れていきたい。

星野竜河
3年・捕手
2023年2月5日生まれ、長野東シニア(長野市立篠ノ井西中学校)、169㎝・68㎏、右投左打

――星野君のお兄さんは、2020年の夏に桐生第一を優勝に導く満塁ホームランを打った綜汰君です。お兄さんの影響もあって桐生第一を選んだのですか。

 兄が甲子園高校野球交流試に出ていてので、合甲子園に試合を見に行ったんです。そこで自分も縦縞のユニフォームを着て野球をやりたいなと思ったので桐生第一を選びました。

――お兄さんもキャッチャーでしたが、なぜ星野君もこのポジションを選んだのですか。

 もともと内野手だったんですけど、中学に入ってから、兄が高校で捕手を始めたのもあり、シニアの監督から「お前もキャッチャーをやってみたらどうだ」と勧められましたので、それをきっかけに始めました。

――内野から全く違うポジションのキャッチャーへの転向ですが、難しくはなかったですか。

 もう捕球体勢から見直したりして、キャッチングは難しかったです。一番苦労したのがボディストップでした。

――今泉監督も、意地でもボールを後ろに逸らさないと評価していました。

 兄も、一回も後ろに逸らしたことがないというぐらいボディストップが上手かったので、自分も兄に教えてもらいながら練習しました。

――お兄さんとは3歳違いで、実家は長野市。いつ教えてもらったのですか。

 兄が高校を卒業して大学に行くまでの間です。自分も中学野球を引退していたので、そこで本格的に教えてもらったり、兄が高校の部活を引退した夏休みにも教えてもらったりしました。

――お兄さんから教えてもらったことで、キャッチャーとしてこれはためになったことはどんなところですか。

 ボディストップは、まず形から指導してもらいました。クローブの位置だったり、体の角度だったり、遅いボール速いボールの対応だったりを結構、細かく教えてもらいました。あとは、打者の様子だったり、ピンチの時の配球だったり、ピッチャーの状態に合わせた対応の仕方だったりを兄が文章にして送ってくれたんです。

――キャッチャーの立場から見た桐生第一のピッチャーの特徴を教えてください。

 春にベスト8に入ったチームのピッチャーたちよりもスポードは出ないんですが、コントロールの良さでバッターを打ち取れるのはウチのチームのピッチャー陣の特徴だと思います。

――チームの課題として中盤以降に崩れるパターンが多いと思います。特に象徴的だったのが、春の準々決勝の健大戦だと思います。前半に2-0でリードしながら6回に4失点して逆転負けをしましたが、勝つチャンスも十分にあったと思います。

 攻撃の面で言えば、3点目が取れなかったのが敗因でした。守備で言えば、自分の配給にも原因があって、中村の変化球に頼ってしまったのですが、その変化球を健大に狙われて失点しました。

――練習での投球数が少ない分、中盤にピッチャーの疲れが出てきますが。キャッチャーの星野君の声掛けも大事になるのでは?

 練習の時は試合を想定して、自分のグローブを構えた位置にボールが来なかったら、「それじゃ打たれるから、もっとインコースに来い」とか、細かいところまでピッチャーに指摘するようにしています。試合では、ピッチャーはマウンドの上では孤独なので、一人にしないというのを心がけています。

――春は8番を打っていましたが、その後の練習試合では中軸を担っていると聞いています。春の大会の健大戦で、キャッチャーとしてもバッターとして学んだことはどんなことでしょう。

 キャッチャーとしては、前半と後半の配球を変えなくてはいけないことを学びました。攻撃の面では、小玉湧斗投手がすごい球を投げてきたので、あの球を打てるようにならないと自分たちは勝てないなというのを学びました。この夏の大会では小玉投手が一番警戒すべき選手だと思います。

――夏の大会で対戦を楽しみにしているチームはどこですか。

 やっぱり、健大です。小玉投手を打ち崩したいし、春に負けたリベンジをしたいです。

――夏の大会までにチームとして修正すべき点を教えてください。見ていて、メンタル面に波があるなと思いますが。

 最近の練習試合を見ても力があるないにかかわらず、勝ったり負けたりという波があるので、それはメンタル面のブレだったりするのかなと思います。それは監督からも指摘されているので、そういうところをしっかりと修正して、相手の力に関係なく、どこが相手でもしっかり自分たちの野球をしたいと思います。

――星野君と佐藤礼恩君は、2020年に桐生第一が甲子園高校野球交流試合でお兄さんたちが甲子園で戦っている姿を実際に現地で見ているわけですが、チームメイトに甲子園で戦う意義を伝えられるのではないですか。

 自分と佐藤の2人しか甲子園という舞台を見ていないので、甲子園の雰囲気などをチームに伝えるというのは監督からも言われています。甲子園は本当に素晴らしい場所で、自分たちは高校の時にしかそこでプレーするチャンスはないので、「甲子園でプレーできる力をつけよう」と皆に言っています。

――星野君はお兄さんの他に兄弟はいるのですか

 高校1年生の弟もいて、地元の長野の高校に通っています。

――弟さんも野球を?

 はい。弟もキャッチャーをやっています。

――兄弟3人がキャッチャーなんですね。お父さんも野球をやっていたそうですが、本当に野球一家ですね。

 父は仕事が忙しい中でも、野球の練習に付き合ってくれたり、遠征の時にはバスを運転してくれたりしたので、恩返しのためにも父を甲子園に連れていきたいです。

<了>