群馬の高校野球2022 夏の注目校 健大高崎②

清水叶人(3年・捕手)

課題だったバッティングを強化し、
群馬の好投手を打ち崩す

 昨年の秋季関東大会準々決勝の明秀日立戦で、6エラーとミスが多く、4-11で敗れてから、冬に守備を強化。今春はエラーが少なかったものの、決勝戦で前橋育英に1-2で惜敗するなど、「(チームとしても個人としても)まだまだ打ち勝つ打撃力がない」と清水。個人としては、「自分のスイングをするところと、チームのことを考えてスイングするところを分けられなかったのと、アウトコースのボールを全体的に打てていなかったので、打てるようにしたい」と夏に向けて課題克服に取り組んだ。
 まず、打撃力を向上させるために、今までフリーで打っていた60分間のバッティング練習を、アウトコースの球を20分、ケースバッティングを20分、最後の20分間はフリーと、状況に応じたバッティング練習に変えた。その効果が出てきており、「感覚的に、春よりもよくなりました」と手応えを感じている。しかし、「まだまだ満足はしていない」と貪欲にバッティングの技術に磨きをかけることに努力を惜しまない。

 また、「冬明けから試合が続くにつれてスローイングが悪くなった」と、2塁送球のスピードを速くする練習にも取り組んだ。
 「自分は肩が強いのですが、ボールを取ってから投げるまでが遅かったので、そこを気にしていたんです」
 そのおかげで、今まで1.8秒台後半だった2塁送球が、1.8秒前半で投げられるようになり、ときには1.7秒台も出るようになった。
 憧れている選手は、埼玉西武ライオンズの森友哉捕手。「守備には自信があるのですが、バッティングにはまだ自信がないので、森選手のような打てるキャッチャーを目指したいですね」

 夏の大会で、清水が手ごわいと感じているのが、桐生第一だ。「昨秋に戦った時は、切れ目のない打線で、少しのボール球でも振ってくる。それに強いスイングをしているところがキャッチャーとして怖いなと思いました」

 「春はスランプで打てる気がしなかった」と漏らし、夏に向けて打撃力をアップさせて、スローイングを強化した清水がこの夏、チームを県の頂点へと導く活躍を見せる。

<了>

■Profile
清水叶人(しみず・かなと)

2004年7月6日生まれ。小学校1年から野球を始める。サッカーや他のスポーツをやりたかったが、兄の影響で野球をすることに。藤岡西中時代は高崎ボーイズに所属。「毎年いいキャッチャーが出ていて、打撃力もいい」(清水)健大に進学。捕手としては高校年代トップクラスの実力があり、プロ入りに期待がかかる。175㎝・82㎏、右投左打。