群馬の高校野球2023夏 樹徳高校編③ 亀田凛太郎

昨夏、先輩たちと見た甲子園の景色。今年は自分の代の仲間と見たい!

亀田凛太郎(かめだ・りんたろう)
3年・投手
2005年9月7日生まれ、館林ボーイズ(館林市立第四中学校)出身、175㎝・75㎏、右投右打

――昨夏、正捕手で試合に出場し、夏の群馬大会で優勝、甲子園にも出場しました。昨夏を経験して、野球に取り組み姿勢や考え方に変化はありましたか。

 去年は先輩たちに甲子園に連れて行ってもらって、去年も甲子園を目指してやってきましたが、甲子園で実際に試合をしたことで、自分たちの代でこの仲間と一緒に行きたいなと思いました。

――甲子園の景色はどうでしたか。亀田君は、捕手として2年生ながら背番号2を背負い、甲子園に出場しました。その経験をチームにどう伝えていきたいですか。

 甲子園に入った時、「広いな」って思いました。大会初日だったので、緊張したのを覚えています。
 監督から「自分と森で、このチームを引っ張っていってくれ」と言われているのですが、甲子園がどういう景色かはチームに伝えていなくて、皆で見に行けばいいかなと思っています。
 去年は甲子園に出場しましたが、今年はもう一回自分自身を一からやり直すつもりでやっていきます。

――夏は、商大附に完封負けし、打撃力の課題が見えました。そこで課題が出たことは夏に向けての収穫になったのではないですか。

 あの試合は、3点に抑えましたが安打数も多くて、結構きつい試合でした。ピッチャーも粘ってくれたので、(打てなくて)悔しかったです。春の大会が終わってから、バットをたくさん振ってきたので、夏に向けてチームは良い状態に来ていると思います。
 春が終わって、練習試合で結果が出せなくて、全然ダメだったんですけど、夏の大会まであと1カ月ぐらいになって、監督から「お前たち、好きなようにグラウンドでやっていい」と言われてから、結構、自分たちの動きができるようになったんです。監督のその言葉で、チームは変わりました。

――監督の「好きになっていい」という言葉に、プレッシャーはなかったですか。

 いや、去年もそうだったんです。その1カ月前まではずっと苦しかったので、自由にできるなと思いました。

――どんなところが苦しかったのですか。

 打たれたら自分のせいだと思ったので、そう思うと苦しかったし、勝てなかったのが一番苦しかったです。

――去年は準々決勝の前橋育英戦、準決勝の桐生第一戦、決勝戦の健大戦を樹徳のベンチ横のカメラマン席で見ていたのですが、樹徳の選手たちがとても伸び伸びと、選手一人ひとりがチームを盛り上げて楽しそうにプレーしていたのが印象に残っています。

 自分たちもやっていて楽しかったです。

――それをするのは、選手同士のコミュニケーションが必要になりますね。

 自分たちはグラウンド内でもグラウンド外でもコミュニケーションを大切にしているんです。グラウンド内では皆、野球が好きだから積極的にコミュニケーションを取るんですけど、グラウンド外でどれだけコミュニケーションが取れるかだと思うので、野球以外の話も結構多くするようにしています。

――亀田君は、中学時代、館林ボーイズでも優勝していますが、試合ごとに出た課題に対して、どうアプローチしたらいいのかがわかるのではないですか。

 練習試合はそこで反省が出たら、どう克服するのかを考えますが、昨夏は大会が始まったら、「打たれたからどうしよう」ではなく、「勝つためにどうしようか」を考えていました。例えば、昨夏の2回戦で「前橋商に打たれたから次どうするのか」ではなく、「次にどういう相手が来るのか」を考えていました。これは中学時代に教えてもらったことです。

――夏の大会に向けて、強化したいところはありますか。

 ここまで来たら個人じゃなくて、チームが勝つことを考えています。もし、自分が打てなくてもチームが勝てればいいと思っています。

――キャッチャーとして、ピッチャーをリードする上で、心がけていることはどんなことでしょうか。

 ピッチャーもそうですが、野手ともコミュニケーションを取って守備のポジショニングを調整していくことで、1つのアウトを取っていけるのかなと思います。
 実は、春の大会が終わってから今日の取材の3日前まで、1回、キャッチャーを外れて、ファーストをやっていたんです。ファーストの時も(エースの)清水(麻成)とは、結構、コミュニケーションを取っていました。春の大会以降、10試合ほど練習試合をしたのですが、まったく勝てなくて、それで1回、キャッチャーを降りたんです。中学からキャッチャーをやっているのですが、ファーストでは、守備の向きはもちろん、見える景色も全然違っていました。
 
――ファーストをやって、気づけたことはありましたか。

 春の大会以降、ちょっと自分がいっぱいいっぱいになってしまって、周りに声をかけられないことがあったんです。ファーストになって、内野にも外野にも上手く声をかけられている自分がいて、それが春以降、自分にそれが足りなかったのだと気づきました。

――亀田君から見たこのチームの特徴を教えてください。

 結構、このチームには自由人が多いんですけど、グラウンドでも自由にやりながらもチームが一つにまとまっているところが去年とはちょっと違います。でも最終的には、チームとしてまとまっているのかなと思います。

――この夏の目標を教えてください。
 
 春より打撃力も上がってきているので、1試合の中で3~5点以内に失点を抑えれば勝てると思うんです。失点を3~5点以内には抑えたいなと思います。
 去年は甲子園に行っただけで終わってしまったので、甲子園で校歌を歌うことを目標にしています。

――将来はプロを目指しているのですか?

 大学でも野球をやる予定なんですけど、まずは大学でも上を目指して頑張っていこうと思っています。

<了>