サンダーズの杉本天昇が全治9か月の怪我で戦線離脱

2月5日のバンビシャス奈良戦で、第1Q途中からコートに入った杉本天昇

 群馬クレインサンダーズの杉本天昇(日本大学4年在学中)が、左膝前十字靭帯断裂と左膝内外側半月板損傷で、全治9か月と診断された。2月5日にヤマト市民体育館前橋で行われたバンビシャス奈良戦の第2Qで負傷。怪我をした瞬間、「痛い!」と悲鳴を上げ、コートに崩れ落ちた。左足を床につけることができず、チームメートに両肩を抱えながら退場し、病院へ直行していた。
 杉本は、今年1月に特別指定選手としてチームに加入すると、同月10日の佐賀バルーナーズ戦でサンダーズの選手として初めてコートに立ち、23日のライジングゼファー福岡戦で終了間際に3Pシュートを決め、これがサンダーズでの初得点になった。その後も10分前後のプレータイムながら、得点でチームの期待に応えるなど、結果を出し始めていた。31日のファイティングイーグルス名古屋戦では、相手の激しいプレッシャーにシュートをことごとく外したサンダーズは第2Q途中に今季初の20点差をつけられるなど苦戦。その状況に風穴を開けたのが、20点差がついた直後の杉本が決めた2連続の3Pシュートだった。
 杉本が怪我をした試合後の会見で平岡富士貴ヘッドコーチ(以下、HC)は、「ここ最近、試合の入り方がよかったですし、彼独特の得点を取る嗅覚は非常にいいものがあって、今日はとにかく早い時間から出して、長く試合で使えたらと思っていました。ディフェンスでもだいぶチームのルールを理解してくれていたので、非常に残念」と、高校、大学の後輩でもある杉本を心配していた。
 チームに合流してまもない1月3日の試合後に設けられた記者会見で、B2のサンダーズを選んだ理由について、「ファストブレイクからの攻撃といった(速い展開の)プレースタイルに魅力を感じ、自分の意思で群馬に入ることに決めました」と語っていた。
 練習でアピールし、わからないことがあれば積極的に先輩たちに聞いて、サンダーズのバスケットを体現しつつある中でのケガだっただけに、非常に残念ではあるが、再びコートに戻ってくる日を楽しみに待ちたい。
 杉本はクラブを通じ、下記のコメントを残している。
 「チームに合流し間もない中でプレータイムも少しずついただけて、ようやくチームへ貢献できると思っていた矢先のケガとなり、自分自身、非常に残念で申し訳ない気持ちです。今は現実と向き合い、1日も早くまた皆様の前でコートに立てるよう、治療とリハビリを行っていきます」

Profile
杉本天昇(すぎもと・てんしょう)
1998年7月20日生まれ、秋田県出身。土浦日大高校から日本大学へ進学し、現在4年に在学中。高校時代に出場した関東新人大会2016決勝戦で、一人で60得点を挙げたほか、高校3年次のU18FIBAアジア日本代表では、26分の出場時間で43点をスコア。大学2年次に出場した第70回インカレ(全日本大学バスケットボール選手権大会)で得点王と優秀選手に選ばれるなど、「天性の点取り屋」としてバスケットボール関係者から高く評価されている。また、FIBA 3×3 U23ワールドカップ2018やFIBA 3×3 U23 Nations league 2019に日本代表として出場し、しなやかなバネと瞬時の判断能力を生かして活躍した。昨季はレバンガ北海道に特別指定選手として入団。1試合に出場した。明るく人懐っこい性格で、入団1か月でチームに溶け込み、B2優勝、B1昇格への推進力になっている。背番号10、ポジションはシューティングガード(SG)、186㎝・86㎏。