2021年12月4日(土)に、糸井ホールディングス緑町第一ビルで開催された2022シーズンの群馬ダイヤモンドペガサス新入団記者会見。3人の練習生契約を含む16人と契約し、都合で出席できなかった1人除き、15人が会見に出席し、来シーズン、ペガサスでプレーする抱負を語った。ここでは、その会見での各選手のコメントのほか、糸井丈之球団会長による選手獲得の経緯、牧野塁監督による選手たちへのメッセージを紹介する。
山上信吾(やまがみ・しんご)
投手/背番号15
1999年9月21日生、群馬県太田市出身、184㎝・86㎏、右投右打
常磐高校~読売ジャイアンツ(2018~20年)~ヌーベルベースボールクラブ(2021年)~神奈川フューチャードリームス(2021年)
山上「チームの連覇に貢献できるように精一杯頑張りたいと思います。巨人では3年間プレーしましたが、野球に対する気持ち、一球一球に対する気持ち、細かい面に対する一つひとつの気持ちの大きさを痛感して、こちらでも一つひとつのプレーを大事にしていきたいと思っています」
糸井会長「常磐から巨人の育成で3年間在籍した後、ペガサスと同じリーグに所属する神奈川フューチャードリームスでプレーしていました。本人に、生まれ故郷の群馬でやり切りたいという思いがありまして、地元の恩師、いろんな方たちからアプローチがありました。私から『地元ゆえに人の見る目が厳しいよ』と伝えましたが、それでも『群馬で野球をやり切りたい』という本人の強い思いがありました。『群馬のファンにしっかりしたプレーを見せないと失望をさせるよ』と本人にも言ってあります。その覚悟を生まれ故郷の群馬で、ペガサスでプレーしてくれることを願っています」
<アピールポイント>
ストレートを見てほしいです。
持ち球/ストレート、カーブ、スプリット、大きく落とすフォーク、カットボール
球速/152キロ
翠尾 透(すいお・とおる)
投手/背番号37
1999年11月5日生、東京都出身、183㎝・86㎏、右投右打
駒込高校~東海大学海洋学部
翠尾「去年、日本一になったこともあり競争も激しいと思いますが、自分のできることを精一杯頑張っていきたいと思います」
糸井会長「ウチの球団にいる奥村光一と同じ年で仲が良かったこともあり、話が来ました。学部の監督からもペガサスの球団の考え方や姿勢に(共感していただき)、『ぜひ引き受けてください』ということで話がありました。(ペガサスへの入団は)東海大学海洋学部からは初めてなのですが、お引き受けすることにしました」
<アピールポイント>
両打者にインコースに躊躇なく投げ込めるところ。
持ち球/ストレート、スライダー、カットボール、チェンジアップ
球速/145キロ
森永一世(もりなが・いっせ)
投手/背番号47
2000年2月21日生、福岡県出身、177㎝・72㎏、左投左打
大牟田高校~久留米大学
森永「しっかりリーグの2連覇に貢献できるようにやっていきたいと思います。皆さん応援をよろしくお願いいたします」
糸井会長「チームの井口竜気(福岡出身、久留米大卒)と同郷。ウチの井口竜気の後を(追って)ということかもしれませんが、『群馬で上を目指したい』と話があり、お引き受けいたしました」
<アピールポイント>
左バッターを抑えるのが持ち味。
持ち球/ストレート、カーブ、スライダー、カットボール、チェンジアップ
球速/143キロ
平川裕太(ひらかわ・ゆうた)
投手/背番号99
1996年6月8日生、千葉県出身、172㎝・76㎏、右投右打
東海大学付属浦安高校~国際武道大学~鷺宮製作所
平川「チームの勝利に貢献できるように頑張ってまいりますので、応援をよろしくお願いいたします」
糸井会長「鷺宮製作所で名門の東京都の中でも有力な企業チーム。その中で鷺宮の正選手として投げ打っていました。(今シーズン、キャプテンを務めていた)工藤陽平の前橋育英高校時代の1年先輩で、甲子園優勝メンバーだった土谷恵介君が鷺宮のキャプテンを務めていたこともあり、工藤と土谷君の伝手もありました。安定した社会人野球から一念発起してラストチャンスにかけてプロを目指す場としてペガサスを選んでくれました」
<アピールポイント>
強いストレートと、気持ちを込めたピッチング。
持ち球/スライダー、カーブ、スプリット、シンカー
球速/147キロ
岩沢拓実(いわさわ・たくみ)
捕手/背番号22
1997年5月9日生、千葉県出身、176㎝・84㎏、右投左打
千葉学芸高校~神奈川大学~スクールパートナー
岩沢「自分のためチームのために全力で頑張りますので、応援をよろしくお願いいたします」
糸井会長「西村コーチからの縁。捕手に関しては、速水隆成が日本ハムに、茨木智也が引退。ペガサスの2022シーズンの補強の最重要ポイントでした。ある程度実績のある即戦力のキャッチャーをということは夏頃からわかっていたこと。それに適った1人であります」
<アピールポイント>
チャンスに強い打撃を見てほしいです。守備は投手との共同作業で抑えていくリード面に注目してほしいと思っています。盗塁阻止率の数字は高いので、独立リーグでも走ってきたらしっかり刺せるように頑張っていきたいと思います。
藤沼龍之介(ふじぬま・りゅうのすけ)
捕手/背番号25
2000年7月15日生、千葉県出身、171㎝・80㎏、右投右打
羽黒高校~八戸大学~BIG WING印西~福井ワイルドラプターズ(2021年)
藤沼「2年連続日本一、そして自分の掲げているプロ野球選手になるという目標を忘れることなく、しっかり群馬に貢献できるようにやっていきます」
糸井会長「同じく捕手の重要ポイントであるところに藤沼君が来てくれました。福井の新リーグの編成もございまして、今年一年の成績を見れば、自由契約になる選手じゃないと思っていました。私の方から声をかけさせてもらいました。捕手としての総合的なものと打力が魅力だと思っています。1年間の福井での実績をベースにした上で、ペガサスで正捕手争いをしてほしいと思います」
<アピールポイント>
打撃面では、左右どちらでも長打が打てる勝負強さを見てほしいと思います。守備面では、性格が強気なので、投手が弱気になっていても自分の強気のリードでしっかり投げ切らせるようにしていきたいと思っています。
福井でプレーさせていただいていましたが、盗塁阻止率の数字はそんなに高くなく、肩には自信はあるんですが、守備面ではいろんな人から課題を言われていますし、自分でもわかっています。群馬に決まる前から守備に課題を持って練習しているので、具体的な数字としては、盗塁阻止率4割5分を出していきたいと思っています。
神宮朋哉(かみみや・ともや)
内野手/背番号5
1998年2月20日生、神奈川県出身、176㎝・83㎏、右投右打
東海大学付属相模高校~鶴見大学~全川崎クラブ~美唄ブラックダイヤモンズ(北海道フロンティアリーグ)
神宮「チームの連覇に貢献できるようにやっていきたいと思います」
糸井会長「北海道のリーグで主軸をしていました。なじみのないリーでしたが、彼はウチの田代大輝と同じ鶴見大学でしかも同い年でしたので、ペガサスの先輩たちの中にも鶴見大学出身者がおりまして、関係者から北海道のリーグではもったいないと推薦いただきました。地元も神奈川ですので、関東でプレーをしたいということで入団が決まりました」
<アピールポイント>
売りは打撃も守備もアグレッシブさです。そこを見てほしいと思います。
新山信也(にいやま・しんや)
内野手/背番号33
1999年10月5日生、神奈川県出身、187㎝・95㎏、右投左打
松本第一高校~栃木ゴールデンブレーブス(2019~21年)
新山「しっかり今年一年、ペガサスのお世話になるのでよろしくお願いします」
糸井会長「栃木には3年いて、対戦相手だったので、彼のことは知っていました。(ウチの)青柳正暉から1試合で2本のホームランを打ったのも見ていますし、栃木のスラッガーとして一目置いていました。ペガサスの古い選手は彼のことをよく知っています。自由契約になった時点で、『もしよければ』と来てもらいました。打撃に関しては非凡なものがあります。NPBからも注目されていたことも事実。守備など総合力を加味するとなかなか上に上がれなかったのかなと思います。長所のバッティングを生かして、ペガサスでまた、栃木とは違った形で彼の良さを引き出してくれることを願っていますし、期待もしています」
<アピールポイント>
長打力を今年、全面的に出していけたらと思っています。守備は、体が大きいのでしっかりアピールできるようにカバーリングしていきたい。
大澤駿斗(おおさわ・はやと)
内野手/背番号34
2003年8月1日生、群馬県伊勢崎市出身、170㎝・61㎏、右投左打
伊勢崎清明高校
大澤「チームの勝ちに貢献できるような選手になります。チームでは一番年下になるので、誰よりも声を出してガムシャラにプレーしていきます。目標はオリックスの吉田正尚選手です」
糸井会長「今年、NBPに行った速水を皮切りに、群馬の高校生を足の長い形で預かっています。その中で、今年の高校生の代表として声をかけてお迎えしました。高校生でまだ線は細いですが、いろんな意味でのポテンシャルの高さ、将来性も感じています。身体能力的なものも含め、ペガサスでじっくり育てて、モノにしたいと思っています。群馬県の高校生の中で、私どもが目をつけた選手です」
<アピールポイント>
守備でも打撃でも粘りのあるプレーだと思っています。
茂木丈汰(もぎ・じょうた)
外野手/背番号7
1998年5月13日生、群馬県沼田市出身、173㎝・73㎏、右投左打
樹徳高校~白鴎大学~栃木ゴールデンブレーブス(2021年)
茂木「地元の群馬でプレーできることをとても嬉しく思います。来シーズンはリーグ優勝、そして(個人としては)NPB入りを目指して頑張っていきたいと思います」
糸井会長「沼田出身で、樹徳高校から白鴎大学に行って、今年1年栃木でプレーしました。藤沼君と一緒に、栃木のいろんな事情も含めて自由契約になったと同時に私の方に話がありました。群馬出身だということ、栃木との対戦試合の時にそこそこの動きをしていましたので、北毛出身が少ないところもあり、北毛地区の子どもたちの期待も含めて群馬で預かることにしました。来年もポジション争いは厳しいですが、しっかり勝ち抜いてもらって結果を残して、応援してくれている人たちの期待に応えてもらいたいと思います」
<アピールポイント>
勝負強いバッティングだと思います。チャンスでの1本に期待してほしいと思います。
眞城敬朋(ましろ・けいごう)
外野手/背番号23
2000年3月2日生、福井県出身、185㎝・80㎏、右投右打
東海大学付属静岡翔洋高校~東海大学
眞城「チームのため、自分のため、精一杯全力を尽くして頑張りたいと思います」
糸井会長「東海大翔洋と東海大学で、ウチの奥村光一と同級生でした。卒業を機に、同級生がいるこちらで勝負させてくださいとお話がありました。全体的に走攻守揃った外野手だと思います。有馬、奥村等を含めた外野のレギュラー争いは切磋琢磨す
る中で勝ち抜いてほしいと思います。それがチームの競争力につながると思います」
<アピールポイント>
走攻守で、ただ走る投げる打つではなく、守備であれば外野からの正確な送球だったり、走塁であれば、走塁のうまさ、ベースランニング、ちょっとした隙を逃さない走塁だったり、打撃ではチャンスの一本を見てもらいたいと思います。
岩岬 稜(いわさき・りょう)
外野手/背番号27
1996年9月9日生、東京都出身、164㎝・78㎏、右投左打
王子総合高校~Olympic college~バンディッツベースボールクラブ~TOKYO METS
岩岬「来年26歳になる歳なので、覚悟を持ってプレーしたいと思います」
糸井会長「当球団とTOKYO METSとの付き合いは長く、何人もの選手をお預りした歴史があります。岩崎の年齢的なものも含めて、非常に悩みました。他の選手に対しての刺激も含め、練習参加した時に、結果が出るだろうと思わせるような実践的な投げる走る打つを見せてくれましたので、結果を出してくれるんじゃないかと思います。きゅだんとしては、他の選手に対しての刺激になると期待しています」
<アピールポイント>
自分のアピールポイントは、足の速さだと思っています。次の塁を狙っていく走塁をしていきたいと思います。
鎌田 渚(かまた・なぎさ)
投手/背番号43/練習生契約
2003年5月19日生、宮城県出身、173㎝・80㎏、右投右打
山形城北高校
鎌田「ポジションはピッチャーです。上を目指して日々努力で頑張っていきます」
糸井会長「監督の知り合いということで、話が来ました。『練習生でよければ』と入団してもらいました」
<アピールポイント>
強気のピッチングで、常にインコースを攻めるところです。
堀北彰人(ほりきた・あきと)
内野手/背番号8/練習生契約
1997年11月20日生、大阪府出身、181㎝・77㎏、右投左打
龍谷大学付属平安高校~東洋大学~ゴールドジムベースボールクラブ~香川オリーブガイナーズ
堀北「結果はどうなるかわからないですが、覚悟を持てシーズン通してやり切ったなと思えるようにしたいと思います」
糸井会長「実績からしたら練習生ではないんです。かなり遅い段階でこちらに話が来ました。今年も香川で正選手としてバリバリプレー
していました。その前の高校、大学、ゴールドジムからの経歴も含めすごいものがあります。ある程度、編成が終わった段階で話が来ました。本人と「練習生としての契約しかないがそれでもよければ」と話をして、本人が野球をやり遂げて納得する場としたいということで、ペガサスを選んでくれました。「試合に出ていたから、このポジションはこの選手がまたやるだろう」というのはありません。皆、キャンプに入ってからポジションを勝ち取っていくことになります。今年はコンペティション(競争)をスローガンに掲げてリーグチャンピオンになりました。来年もそれを踏襲します。それが今年のペガサスの結果になったと思いますし、プロの球団としてのあり方だと思っています。今日、堀北君は練習生としての会見になりましたが、背番号も与え、ユニフォームも与え、4月の開幕から1日経った段階でシャッフルして、今年と同じように切磋琢磨しながらペガサスの中でポジションを勝ち取り、結果を出してほしいと思います。それが最終的なチームの勝ち負けに結びつくと思っています」
<アピールポイント>
走攻守すべてで、高いレベルで勝負していけるところです。
伊藤康人(いとう・やすひと)
外野手/背番号55/練習生契約
2001年11月15日生、宮城県出身、170㎝・73㎏、左投左打
東北高校~富士大学(中退)~石川ミリオンスターズ(2021年)
※都合により、新入団会見には不参加
■元ペガサスの選手だった永井克弥がコーチとして入団
永井克弥(ながい・かつや)
野手コーチ/背番号66
1992年12月3日生、群馬県高崎市出身、190㎝・99㎏、左投左打
高崎高校~埼玉大学~群馬ダイヤモンドペガサス(2015~17年)~楽天イーグルスアカデミーのアカデミーコーチ(2018~21年)
永井「選手として2015年から2017年までの3年間お世話になった群馬ダイヤモンドペガサスにコーチとして戻れたことをとても嬉しく思います。またペガサスのユニフォームを着て、選手たちと牧野監督と一緒に戦えることを楽しみにしています。群馬の皆さまから応援してもらえるチーム、子どもたちから憧れてもらえるチームを目指して頑張ってまいりたいと思います。チーム連覇、そして3度目の日本一を目指します。そして、選手たちの夢へのチャレンジに背中を押せるように頑張ってまいりたいと思います」
■牧野塁監督から新入団選手たちへ
■そして応援してくださる皆様へ
牧野「選手の皆さん、入団おめでとう。みんなのことは歓迎していますし、大いに期待しています。希望だけを持って前向きな気持ちを持って、来年3月1日が全体のスタートとなるので、そこで元気な姿で来てもらいたいと思います。
今シーズンはチーム一丸となり優勝することができました。やはり独立リーグというのは1年で選手たちが多く替わりますし、毎年新しいチームになるので、また1からチームを作り直していかなくてはなりません。チームの歴史として連覇ができるように頑張っていきたいと思います。
今シーズンが終わり、レギュラーで出ていたほとんどの選手たちが退団していきました。先ほど糸井会長からも話がありましたが、群馬ダイヤモンドペガサスは競争を掲げて、それがチーム力となって今年の結果につながったと思います。新入団選手にも1年目から大いにチャンスがあると思います。とにかく競争をしてもらって、その競争を勝ち抜いてもらって、自分の居場所をつかんでもらいたい。今シーズン、レギュラーで活躍して成績を残した選手もいますし、首位打者を取った選手もいます。ただ僕の中ではレギュラーは誰一人、決まっていません。競争してレギュラーを奪い取ってもらいたいと思っています。競争、緊張感がないチームとしても強くはならないし、個人のレベルアップにもつながらないと思っています。その気持ちを1シーズン通して持ちながら。最後の最後までみんなには諦めずに競争してもらいたいなと思います。1年目だからとか、例えば高卒から入ってくる子もいますけど、『自分はまだまだ高卒だから』というのは気にしないでもらいたい。今の時点で選手契約、練習生契約という分かれ方をしているけれども、僕の中では全員が横一線。その中で、しっかり競争してもらって、勝ち抜いてもらいたい。それはすごく大事なことだと思う。それを頭に入れてみんな覚悟を持って、(3月1日に)来てもらいたいなと思います。
チームとしても新たにこれだけの人数(16人)が入ってきましたし、また新しいチームになりますが、今シーズンの優勝をチームとしての強さにつなげていけるようなチームを作っていきたいと思っています。そして、さらに応援してもらえるような魅力のあるチームも作っていきたいと思います。現場、フロント、選手、皆さんと共に群馬県を一緒になって盛り上げていければと思っていますので、来シーズンも応援をよろしくお願いいたします」
<了>