オプアリは、Bーグが推奨する地方都市のアリーナのモデルケースになる。

島田慎二チェアマン

2023年4月15日についに新アリーナ「オープンハウスアリーナ太田」(通称オプアリ)がオープンした。宇都宮ブレックスとの杮(こめら)落しの試合に訪れたBリーグの島田慎二チェアマンが、試合後の記者会見でアリーナについて語った内容を紹介しよう。

 今日の試合についてですが、前半は群馬の選手の気持ちが前面に出ていて、それが少し空回りしているところがありましたけど、後半から修正して、良い形で杮落しを勝利で飾りました。沖縄アリーナができた時に、琉球が初陣で敗れたりと、結構、こういうゲームって難しいんです。そんな中、群馬にとってはいいゲームだったのではないかと思いますし、私も会場を歩いていて、ファンの皆さまと会話をちょこちょことしましたけど、沖縄の時と本当に同じで、「おらが町にこういう素晴らしいアリーナができたことがうれしいのと、誇りに思う」というリアクションをたくさん聞けました。何よりもファンの皆さんが喜んでいるのが非常に嬉しかったです。

 演出面において、何か特別トリッキーなことをしているというのではないんですが、やはり普通の体育館で照明やビジョンなどを入れてやる場合と、こういう施設である程度想定してアリーナを作っている場合と、やっぱり全然違うんですよね。垢ぬけているというか。オープニングのライティングや会場の雰囲気を見て、私も感動したというか、ウルッときたというか……。やはり、群馬県の太田市という、そんな大きな都市ではないところでこういう素晴らしいアリーナができて、こういう熱狂空間が生まれるのはものすごいなと、演出からもすごく感じました。
 今日は5262人が入りましたが、(太田市のような)コンパクトシティに合ったコンパクトアリーナに、ファシリティ(施設)のクオリティ(質)の高さや、(演出の)ダイナミックさを取り入れている。いわゆる地方都市で、Bリーグが推奨する上でものすごいモデルケースとなるアリーナだと思っています。
 これまで群馬の場合は、隣の市民体育館でやっていて、このアリーナとのギャップがものすごい。いい意味でものすごくいいものに転換しているので、いいものばかり見えていると思います。実際に私もそうです。特に良いところは、劇場型のアリーナで、いわゆるコート上だけ明るくして、お客さんのところは暗くしていますよね。あれってあまりないんですよね。コートにあれだけの照明を当てて周りを暗くしても見やすいっていうのは、結構大変で、私も昔トライしたんですけど、できなかったんです。劇場型の空間を作り上げて、ファンの皆さんが感情移入しやすい状況にしているところを注目していただけるかなと思っています。これは1万人、2万人規模だとなかなか大変で、このコンパクトアリーナだから打ちだせる。そこがこのアリーナの魅力かなと思いました。

<了>