Bリーグで自分のプレーが通用することがわかった

群馬クレインサンダーズ/東海大学2年
ハーパー・ジャン・ローレンス・ジュニア

今年1月4日から3月5日まで、東海大学2年のハーパー・ジャン・ローレンス・ジュニア選手が特別指定選手として群馬クレインサンダーズでプレーした。1月29日の琉球ゴールデンキングス戦では、敵将の桶谷大HCが「B1ではトップレベルのボールプレッシャーのかけ方だったし、なかなか1対1では(彼のディフェンスを)はがせず、ボール運びでも苦労した」と言わしめたほど、潜在能力の高さを見せてくれた。2月27日に太田市内のスタジオでの撮影の合間に、サンダーズでプレーをした感想を聞いた。

――1月に特別指定選手としてサンダーズに加入しました。サンダーズでプレーしたこと得られたことは何ですか。
 大学では2番ポジション(SG)をやっていて、サンダーズでは1番ポジション(PG)をすることが多かったんですが、その中でどのようにゲームをコントロールして、チームを落ち着かせるかを学びました。またPGは他の選手とコミュニケーションを取ることが大事だということも学びました。

――大学では2番ポジションだったのですね。
 はい。基本2番で、たまに1番をやるような感じでした。ちゃんと1番ポジションをしたのは初めてでした。

――自分から1番ポジションをしたいと言ったのですか。
 いや、違います。自分から言ったわけではないですが、チームに求められている役割が1番ポジションだったからです。カイル・ベイリーACもドイツでずっとガードをしていましたし、プロを経験している人たちからたくさん学べたので、すごく勉強になりましたし、自分の成長にもつながる部分も多く、サンダーズに来てすごくよかったです。

――地元・沖縄県ゴザ市の先輩でもある並里成選手に憧れ、背中を追いかけています。並里選手と一緒にプレーした中で、心に響いたアドバイスはありますか。
 チームに来てすぐのとき、「とりあえず焦るな。自分が思ったことをやればいい」と言われ、1月29日の琉球ゴールデンキングス戦では、何も考えずに自分が思ったことを思いきりやることを意識しました。琉球戦の前も、「楽しめ」と言ってもらえて、その試合は楽しむことを意識しました。最初の3ポイントシュートが決まってからは全然緊張しなかったです。

――大学とBリーグのレベルの違いはどんなところで感じましたか。
 もうフィジカルの部分から全然違いました。スキルの部分もBリーグの方が上なので、サンダーズでプレーできてよかったと思っています。それにBリーグでも自分のプレーが通用するんだとわかって、これまで積み上げてきたものがBリーグの舞台で発揮できたのは自信にもなりました。

高校3年生の時に特別指定で琉球でプレーしていたハーパー選手。”古巣”相手に堂々としたプレーを見せた(2023年1月29日、太田市運動公園市民体育館/写真提供:群馬クレインサンダーズ)

――今回、Bリーグでプレーして、ここは伸ばしていきたいと思ったところはどこですか。
 まだアウトサイドシュートの確率に波があるんです。フィニッシュの部分で、強くプレーできないことが多いので、体をさらに鍛えて、シュートの精度をもっと上げていきたいと思います。

――目標は日本代表としてコートに立つことですが、東海大学のチームメイトでもある金近廉選手が2月23日のW杯アジア地区予選のイラン戦で3ポイントシュートを6本決める活躍を見せました。すごく刺激になったのではないですか。
 19歳がA代表に出るっていうのは滅多にないことですし、それを見て自分も刺激をもらったので、これからも互いに切磋琢磨して成長していきたいと思います。それに高校・大学の先輩でもある河村勇輝(横浜ビー・コルセアーズ)さんもW杯アジア予選に出ていたので、自分もいつか日本代表として試合に出たいと思いました。大学に戻ってもBリーグで学んだことをしっかり生かして成長していきたいです。

琉球戦で3ポイント2本を含む12得点を挙げ、この試合でチーム3位のスコアを残した(2023年1月29日、太田市運動公園市民体育館/写真提供:群馬クレインサンダーズ)

――将来、並里選手と同じクラブに入りたいですか。
 そこにはこだわりはないんですけど、最終的には並里さんとマッチアップして、自分の成長した姿をプレーで見せたいなと思っています。

――最後に、サンダーズのファンの皆さんにメッセージをお願いします。
サンダーズでの活動が3月5日までですが、サンダーズのチームの皆さんはもちろん、ファンの皆さんにも、自分の成長した姿を見せられたらいいと思います。新アリーナができたら、一度は試合を見に行きたいと思っています。
<了>

■プロフィール
ハーパー・ジャン・ローレンス・ジュニア

2003年2月9日生まれ、沖縄県出身。地元で見た並里成選手のプレーに憧れ、並里選手と同じゴザ中学に入りバスケットを始める。高校も並里選手と同じ福岡第一高校に進学。高校3年生の時に並里選手のいた琉球ゴールデンキングスに特別指定選手として加入。高校の先輩でもある河村勇輝選手のB1リーグ最年少出場記録・最年少得点記録を塗り替えた。現在、東海大学2年生で、SGとして活躍する。2022年のインカレで優勝。大学での背番号は3。これは並里選手が琉球在籍時代につけていた背番号であり、NBAで憧れているゴールデンステート・ウォリアーズのジョーダン・プール選手の番号でもある。ニックネームはJJ。180㎝・80㎏。