群馬ダイヤモンドペガサスの西濱勇星がオリックスと仮契約

大ファンというGReeeeNの名前の由来となった新人未熟者(GReeN Boy)を色紙に書いた西濱。「未完成であり続け、未知の可能性を秘める」という意味があるという

 10月20日のドラフト会議でオリックス・バファローズから育成1位で指名された群馬ダイヤモンドペガサスの西濱勇星投手(関東学園大学附属高校出身)の仮契約調印式が高崎市内のホテルで11月15日に行われ、西濱は支度金350万円、年俸240万円(共に推定)で契約書にサインした。背番号は030に決まった。昨年、北海道日本ハムファイターズから育成2位指名された速水隆成に続き、ペガサスは2年連続でNPBに選手を輩出したことになる。
 調印後の記者会見の冒頭でオリックスのプロチームスカウトの宮田隆氏は、「まだ20歳という年齢で、まだまだ完成度が低い部分がありますが、本当に将来が楽しみな投手として、どうしてもオリックスに来ていただきたいという気持ちで指名させていただきました。日本一を達成したシーズンに私どもに加わってくれることをうれしく思います。本人も日本シリーズの舞台に立つ姿を思い描きながら試合を見てくれたようですし、これから1日でも早く選手契約を勝ち取り、さらには日本シリーズの舞台で、自分が思い描いていたパフォーマンスを発揮できることを期待しております」と語り、隣に座っていた西濱に温かい目を向けた。

宮田プロチームスカウト(左)と記念撮影


 さらに西濱を育成ドラフトで獲得した経緯について、「スピンの利いた球です。球が速いだけならいくらでもドラフト市場にはいます。彼のボールは空振りがとれる速さ(最速155キロ)で、それはスピン量が多いということ。我々は長年スカウトとして経験しているので、『このボールはNPBでも通用するまっすぐだ』という評価をさせていただきました。さらに独立リーグ選抜として10月(10日)のみやざきフェニックス・リーグで日ハム戦に先発して、3イニングを投げましたが、今川優馬選手、万波中正選手、郡拓也選手といった選手に向かって真っ向勝負をして、まっすぐで三振を奪ったのを見て、これは間違いないという評価をドラフト前に再確認させていただいた次第です」と明かした。

 ペガサスで西濱を2年間指導した牧野塁監督は、「僕も西濱と一緒にやりましたけど、本当に素材が間違いないと思いますし、伸びしろしかないと思いますので、これからの活躍がすごく楽しみになりました。(育成でも)入るところは関係ないと思いますので、これからいっぱい頑張って、もっともっといい選手になって、オリックスを代表するようなピッチャーになってほしいと思います」と、教え子のNPB入りに満面の笑みを浮かべた。

会見に臨む牧野塁監督(右)、西濱(中)、宮田プロチームスカウト


 笑顔で会見に臨んだ西濱は、「今日は、ドラフトからもうすぐで1カ月なんですけど、正直、ドラフトで指名いただいた後に『頑張ろう』と思ったんですが、なんかほっとしすぎてしまい、あまりトレーニングをする気持ちにはならなかったんです。日本シリーズを見て、『このままじゃだめだ』という気持ちに自然になって、今は毎日、自分でトレーニングしたり、チームの練習に参加させてもらったりしてすごく充実した日々を過ごしています」と飾らないコメントで会見に出席していた記者たちの笑いを誘った。
 また、記者から今の気持ちを聞かれ、「(契約書に)判子を押しているとき、名前を書いているときはすごく緊張して、宮田さんやオリックスの方々と握手をした時に、自分もNBPでプレーできるんだなという実感が湧き、とてもうれしい気持ちになりました」と、素直な性格を合間見せた。
 思い描く将来の選手像について西濱は、「今年の日本シリーズで、中継ぎの投手の方々が活躍されていたので、自分も8、9回を投げられるような選手になりたいと思います」と力強く答えた。

両親と記念撮影
群馬ダイヤモンドペガサスの糸井丈之会長(右)と堀口芳明社長(左)と共に写真に納まる笑顔の西濱


 西濱は来年1月10日頃に入寮する予定で、大好きなGreeeeNのアーティストグッズの「鳥」を持って行くという。「それを持っていろんなところに出かけていて、写真を撮るのが好きなんです。(群馬の親元から離れ)ホームシックになりそうなので、普段いつも自分の周りにあるものがあれば安心できると思うんです」とその理由を教えてくれた。
 西濱が支配下登録された際には、登場曲はもちろんGReeeeNの曲になるかもしれない。GReeeeNの曲でマウンドに上がる西濱の姿を見るのが楽しみだ。

<了>