大型補強の第一弾。稀代のシューター・辻直人がサンダーズに加入が決定!

写真提供:広島ドラゴンフライズ

 

 今季、広島ドラゴンフライズのキャプテンを務め、日本代表として長年活躍した辻直人の群馬クレインサンダーズへの来季の加入が決まった。
 辻の魅力は、「打てば入る」と言われるほどの高確率で決める3ポイントシュート。このシュート力でどんな場面でもチームに最高の流れを呼び込める選手である。今季、広島を初のCS出場に導き、惜しくも準々決勝で敗れたものの、3ポイントシュートの成功率41.2%と高い数字を残した。3ポイントシュートの成功率はサンダーズの長年の課題でもあったため、辻の加入はチームにとって強力な武器になる。
 辻は、学生時代からいくつもの優勝タイトルと個人タイトルを獲得し、プロになってからも新人賞にはじまり多くのタイトルを受賞。日本代表でも持ち前の勝負強さを発揮し、多くの国際舞台で活躍した。
 Bリーグが誕生してからは、優勝タイトルを獲得できておらず、辻自身、悔しい経験をしている。辻の優勝に対する強い執着心は、来季「競争心」を重視してチームづくりに取り組むサンダーズにおいて、チームを奮い立たせる重要な役割を担う選手になるだろう。
 正確無比なシュートを決める頼れる姿やコート内外で見せる茶目っ気にあふれる姿は、多くのサンダーズファンを虜(とりこ)にしそうだ。
 また、同期の並里成とのコンビネーションプレーにも期待がかかる。

 サンダーズへの入団発表に際し、辻はクラブを通じて下記のようにコメントしている。

「この度、群馬クレインサンダーズに入団することになりました辻直人です。今の僕にはワクワク感しかありません。新しい環境でイチからチャレンジできるというワクワク感。群馬クレインサンダーズのCS出場、優勝といった新しい歴史を作っていくことへのワクワク感。高校時代からライバルとして切磋琢磨してきた並里選手と、この歳になって一緒のチームでプレーできるワクワク感。今まで培ってきたことをすべて、群馬クレインサンダーズに注ぎ、新しい歴史を作りたいと思っています。ファンの皆さま、応援のほどよろしくお願いいたします」

 昨季は並里、今季は辻と、オープンハウスがクラブオーナーになってから毎年、大型が補強を実施しているサンダーズ。今回は来季に向け、優勝を狙えるチームにするとのクラブ側の強い意志が感じられる補強となるだろう。またリーグ全体で見てもサンダーズの補強は大きなニュースになりそうだ。

■Profile
辻 直人(つじ・なおと)

 1989年9月8日、大阪府羽曳野市出身。洛南高校~青山学院大学~東芝ブレイブサンダース・川崎ブレイブサンダーズ(2012-21)~広島ドラゴンフライズ(2021-23)。ポジションはシューティングガード(SG)。元日本代表選手。185 cm ・82㎏。
 洛南高校では2年生から活躍し、インターハイ準優勝、ウインターカップ優勝を経験。3年生でウインターカップ2連覇を達成した。青山学院時代は1年生から試合に出場。3、4年生の時には関東大学選手権、関東大学リーグ戦でいずれも優勝に貢献した。優秀選手賞とスリーポイント王、MVPなど数々のタイトルを受賞し、学生時代から将来を期待されていた選手である。
 大学卒業後に東芝ブレイブサンダース(JBL→NBL、現・川崎ブレイブサンダース)に入団。1年目から主力として活躍して新人賞を受賞したほか、2013-14シーズンには3ポイントシュートの成功率46%を記録。
 今季は広島で57試合すべてにスタメン出場。フィールドゴール成功率42.1%、3ポイント成功率38.9%、フリースロー成功率81.9%の数字を残し、チームのCS初出場に貢献。CSではフィールドゴール成功率36.0%、3ポイント成功率41.2%の成績だった。