群馬クレインサンダーズに特別指定選手として加入が決まり、1月11日(水)の茨城ロボッツ戦の試合当日にチームに合流したハーパー・ジャン・ローレンス・ジュニア選手。ナイトゲームが終わった午後10時過ぎにハーパー選手の会見が行われた。
ハーパー選手は、福岡第一高校3年時に特別指定選手として地元の琉球ゴールデンキングスに加入。現役高校生Bリーガーとしてトップリーグのコートに立ち、河村勇輝選手(横浜ビー・コルセアーズ)が持つBリーグ最年少出場記録と最年少得点記録を更新した才能あふれる19歳の選手である。
ハーパー選手がサンダーズに加入した主な理由は2つある。
1つは、「憧れである並里成選手がいるから」。並里選手とハーパー選手は共に沖縄県出身。地元で琉球ゴールデンキングスの試合を見て、「成(ナリト)さんのファンタジスタと言われるプレーをかっこいいな」と思い、並里選手と同じゴザ中学のバスケ部に入部し、そこからバスケを始めた。高校はもちろん、並里選手と同じ福岡第一を選んだ。高校3年の時に特別指定選手で沖縄に加入したのも並里選手がいたからだ。
サンダーズへの加入が決まったことを並里選手にLINEで報告した際に、「待ってるから。来たらいろんなことを教えるから」と返事をもらった。「成さんからたくさんのことを吸収して、日本代表に入って活躍するという目標を達成できるように成長する」と自分に誓った。
成長したいところはバスケットIQ。「細かく言うと、ピック&ロールの使い方やパスで、成さんが観客を魅了しているので、そこの部分をしっかり吸収したいなと思っています」
並里選手から学ぶのは、PGとしてのプレーだけでない。「試合前のトレッチなど、成さんは体のケアにもすごく時間を充てているので、そこも見習いたいと思っています」
ハーパー選手にとって並里選手は特別な存在。「日本のトップレベルのPGなので、成さんと同じチームで、同じ環境でプレーして、研究して、吸収するのが、自分のマインドセット(思考パターン)。もう常に一緒です」と慕う。
サンダーズに加入したもう1つの理由は、4月に完成予定の新アリーナ「オープンハウス・アリーナ・オオタ」の存在だ。「大学の先輩であるアレン(八村阿蓮)から『(サンダーズは)すごく環境がいい』と聞いていたのもありますが、新アリーナでプレーしてみたいと思ったんです」
チームに合流した時に、水野宏太HCから「ウエルカム」と声をかけてもらった。水野HCの印象は、「熱い人で、自分をしっかり勢いづけてくれる監督」。しかも、水野HCが英語を話す姿に驚いたという。英語と日本語を操るハーパー選手にとっては、英語でコミュニケーションをとれるほうが、「日本語で言いにくいことも、英語だったら言えることもある」ため、チームに馴染みやすいようだ。
試合の過密日程や新型コロナウイルス、風邪などで、主力を欠くこともある苦しいチーム状況の中で、ハーパー選手の加入はチームにとって力となろう。将来、日本のバスケ界を背負って立つ若手選手の一人でもあるハーパー選手の姿をコートで見るのが楽しみだ。
<了>
■Profile
ハーパー・ジャン・ローレンス・ジュニア
2003年2月9日生まれ、沖縄県出身。ゴザ中学~福岡第一高校~東海大学(在学中)。地元出身の並里成選手に憧れ、中学校でバスケを始める。高校3年の時にU-16代表メンバーに選出されただけでなく、特別指定選手として地元の琉球ゴールデンキングスと契約。今季は、サンダーズと特別指定選手契約を結び、トップレベルで試合経験を積む。180㎝・80㎏、ポジションはポイントガード(PG)。