サンダーズ、アクシデントを乗り越え、B1昇格1年目のチームの最高勝率をキープ! チャンピオンシップ進出に望みをかける

群馬クレインサンダーズ 75-88 千葉ジェッツ
2022年3月19日(土)、船橋アリーナ、観客3741人

群馬クレインサンダーズ 74-103 千葉ジェッツ
2022年3月20日(日)、船橋アリーナ、4240人

群馬クレインサンダーズ 73-98 川崎ブレイブサンダース
2022年3月23日(水)、太田市運動公園市民体育館、観客1519人

ケガ人続出、新型コロナウイルスに感染するなど、2021-2022シーズンを戦うチームに次々とアクシデントが襲い掛かる。シーズン中盤は、戦術理解が深まりチームとして成熟していく時期だが、現状では全体での練習もままならず、速攻を武器にしたリーグ屈指の攻撃力もしめりがちだ。3月23日の川崎ブレイブサンダーズ戦に25点差で敗れて3連敗を喫したものの、コンディションが整えば勝てる試合も増えてくるのではないかという兆しがスタッツ(公式記録)からも見て取れる。3連敗した試合を振り返った。

取材/星野志保(EIKAN GUNMA編集部)

3月23日の川崎戦で五十嵐圭がコンディション不良から復帰してベンチ入りしたものの、菅原暉、上江田勇樹を欠くなどベンチ層の薄い中での戦いを強いられた

 3月上旬に5選手が新型コロナウイルス感染症陽性判定を受けて、他選手やスタッフも濃厚接触者となり、練習を満足な状態で行えなかった中で迎えた16日(水)の横浜ビー・コルセアーズ戦では、五十嵐圭、上江田勇樹、菅原暉の3人をコンディション不良で欠く中、トレイ・ジョーンズが40得点を挙げるなどチームの底力を見せ、92-84で勝利を収めた。

 3日後の19日(土)、20日(日)の千葉ジェッツ戦でも、五十嵐、上江田、菅原のベンチ入りしなかったが、チャンピオンシップ進出のマジックがついた相手に粘りを見せたものの、新型コロナウイルスの影響で満足に練習できなかったことが響き、2連敗を喫した。

2Qにトレイ・ジョーンズの速攻が川崎を苦しめた(3月23日、太田市運動公園市民体育館)

 そんな中で迎えた23日(水)の川崎ブレイブサンダーズ戦では、22日(火)と試合当日の午前中に戦術確認をしただけで、今年、天皇杯で優勝した強豪チームに挑まなければならなかった。だが、2Qではチームの武器である速攻がさく裂し、トレイ・ジョーンズを中心に攻撃力の高さを見せつけ相手を苦しめた。川崎の佐藤賢次HCは、「2Qになって、群馬のディフェンスが一段と上がったところで、ウチはターンオーバーが続き、そこで走られてしまった。走られると群馬のペースになってしまうので、そこが一番よくなかった」と振り返った。だが、2Qの終盤から川崎にオープンでシュートを打たれ始め、試合の流れが徐々に川崎に傾き始めた。8日間で4試合をこなすという過密スケジュールと、コンディション不良で日本人3選手が試合に出られないベンチ層の薄さも相まって、3Qになるとプレータイムの長い主力の選手たちに疲労が見え、4Q残り6分でついた25点差を最後まで縮められずに73-98で敗れた。
 川崎に負けはしたものの、トーマス・ウィスマンHCはチームの成長を感じていた。それは、この試合のスタッツにも表れている。
◇ターンオーバーからの得点…サンダーズ19点、川崎15点
◇セカンドチャンスからの得点…サンダーズ6点、川崎10点
◇速攻からの得点…サンダーズ22点、川崎7点
 速攻からの得点では川崎を圧倒。ターンオーバーからの得点も相手を上回っている。セカンドチャンスからの得点は両チームで大差ない。この結果だけを見れば、「サンダーズが勝つ試合だった」とウィスマンHC。

菅原、五十嵐とPGを欠く中で、主力のPGとして奮闘したキャプテンの笠井康平(3月23日、太田市運動公園市民体育館)

 サンダーズが敗れた主な原因は、3ポイントシュートの確率の悪さである。
 ◇3ポイントシュート…サンダーズ16.7%(4/24本)、川崎56.0%(14/25本)
 ◇2ポイントシュート…サンダーズ53.7%(22/41本)、川崎58.3%(21/36本)
 この3ポイントシュートの確率の悪さが川崎との点差につながっている。

 そしてもう一つの敗因は、試合続きの中で、選手たちのコンディションが戻らず、前回の2月12日(土)、13日(日)に、川崎に2連勝した勝因になったフルコートでの攻撃ができなかったことだ。

 レギュラーシーズン終了まで18試合となった。現在、サンダーズは16勝21敗、勝率.432で、今季の目標であるチャンピオンシップ進出に黄色信号がともっている。だが、ウィスマンHCはあきらめていない。「勝率5割を切ってしまったらプレーオフには行けないので、ここからしっかりと盛り返していきたい」と前を向いた。

217㎝のリーグ高身長のオンドレイ・バルヴィン。彼がゴール下でリバウンド争いを制することができれば、サンダーズのペースになる(3月23日、太田市運動公園市民体育館)
今季はスタメン出場が多いジャスティン・キーナン。ジョーンズと共にサンダーズの得点源(3月23日、太田市運動公園市民体育館)
日本代表候補にも選ばれているアキ・チェンバース。最近は疲れからか3ポイントシュートの確率が落ちてはいるが、チェンバースの攻撃力と守備力はチームに欠かせない(3月23日、太田市運動公園市民体育館)

 新型コロナウイルス感染症のために延期となった試合を消化するため、これから水曜、土曜、日曜と週3日のペースで試合をこなさなければならない過酷な状況が待ち受けている。そんな中でサンダーズにとって、26日(土)、27日(日)のアウェイ開催の広島ドラゴンフライズ戦が中止となったことは、チームにとってプラスとなる(この2試合はスケジュールの調整できないため消滅試合となった)。このことについて川崎戦後にトレイ・ジョーンズも、「シーズン途中は大事な時期に、(けが人や新型コロナウイルス感染症陽性者が出たために)練習できなかったのは痛かった。ここで全員が集まって練習ができるはいいことだと思う」と語っていた。
 3月30日のホームで迎える滋賀レイクスターズは、現在、西地区10位のチームだ。2月26日に三遠ネオフェニックスに勝って以来、12試合勝利から遠ざかっている。サンダーズがチャンピオンシップに進出するためには、下位チームから確実に勝利を挙げていかなければならない。
 滋賀戦に向けてウィスマンHCは、「しっかりコンディションを戻して、自信を持ってプレーすれば、絶対にどこのチームにも勝てるチームになるし、リバウンドやタフな展開を制することができれば、自分たちの流れになって必ず相手を倒せる」と意気込んだ。

 B1昇格1年目のチームの最高勝率は、2020-21シーズンに信州ブレイブウォリアーズがマークした.370である。サンダーズはそれを超えて、現在、勝率5割に迫るサンダーズ。B1昇格1年目のチームがチャンピオンシップ進出争いに絡むところまできていること自体が快挙と言っていい。さらに、ケガ人続出、新型コロナウイルス感染症陽性者を出して全体練習ができないという緊急事態の中で、この勝率5割弱を維持し続けてきたことはチームとしての能力の高さを感じさせる。残り18試合でチームがどこまで成熟するのかが楽しみだ。

<了>