2024シーズンの新加入記者会見が1月8日、前橋プラザ元気21で行われた。J2は今シーズンから、22チーム制から20チーム制になる。それに伴い、試合数も42試合から38試合に減る。そんな中でザスパ群馬は勝ち点51、10位以内を目標に定め、クラブとしてのさらなる飛躍を目指し、将来のJ1昇格へと強化を図る。
新加入選手13人の紹介と共に、今季のスローガンと目標が発表された。その様子を紹介しよう。
■2024シーズンのスローガン■
EVOLUTION TOGETHER -日々是進化-
(エボリューション・トゥギャザー -ひびこれしんか-)
毎日のトレーニングや経験の積み重ねから、選手、スタッフ一人一人が進化を遂げることで、チームも日々進化してさらに強くなっていく。オール群馬が一緒になって、進化するチームと共にさらなる高みを目指し戦う。
■目標■
10位以内、勝ち点51
※今季は、昨シーズンから2チーム減り、20チームでの戦いになる。また、試合数も4試合減り、38試合となる。
■会見■
◆赤堀 洋 社長
最初に、昨年の振り返りをさせていただきたいと思います。昨年は、長かったコロナによる制限も落ち着いて、スタジアムにも日常が戻ってまいりました。
ホームの入場者は、一昨年が3000人超だったものが、昨年は平均で4000人を超え、年間で10万人近くのお客様に正田醤油スタジアムにお越しになっていただきました。(コロナ禍の制限がなくなり)日常が戻ってきたことで、改めてサッカーというスポーツの面白さ、ライブで見るプロの迫力あるプレー、思い思いの応援グッズを身に付けて思いっきり声を出しての応援、青空の下、スタンドで食べるグルメなどを、皆さんに本当に楽しんでいただけたのかなと思っています。それと共に、改めてスタジアムでサッカーを見るという楽しさを実感していただけたのではないかと我々も感じています。
クラブの経営面も回復基調にあり、おかげさまでスポンサー収入、入場者収入(チケット売り上げ)、グッズ収入といった主な収入もそれぞれ前年を上回り、全てが過去最高の数字に落ち着きそうです。昨年はJリーグからの配分金が少し減らされたようなこともありましたが、それを乗り越えて、事業収入も過去最高になる見込みです。
来期は2025年1月期になりますが、まず我々はJ2への定着、それからJ1昇格という中期目標に向けて、引き続き営業の強化を中心に事業拡大に取り組んでいきたいと考えております。
さらに今年4月、ユニフォームパートナーである株式会社カインズの寄付により、念願のクラブハウスと専用の練習場が前橋市富田町に完成します。新しいクラブの本拠地になることもあり、これを機に、今季からホームタウンを「前橋市を中心とする群馬県全域」と再定義をしております。それに伴い、チームの呼称を「ザスパ群馬」に統一するとともに、エンブレムやロゴも一新をして、県内唯一のプロサッカークラブとしてプロモーションをしてまいりたいと考えております。
さて、昨シーズンの振り返りですが、トップチームは勝ち点50、16位以上という目標を掲げてスタートしました。結果は、勝ち点57、11位という順位で、J2リーグにおいて過去最高の成績を上げることができました。そしてクラブ史上初めてJ1昇格のプレーオフ圏内争いまで演じることもできました。
ファン、サポーターの皆様から、特にシーズンの終盤に「新しい景色」ですとか、「さらなる高み」ですとか、非常にポジティブなキーワードでチームを後押ししてくださいました。改めて御礼申し上げたいと思っています。私がこのクラブに関わった2020年以降、こういったサポーターの皆様のポジティブな声は、今までになかった新しい形式というふうに考えております。今後もザスパ群馬がファンの皆様からもっともっと愛され、より多くの企業からご支援をいただくためにも、引き続きトップチームの強化が最重要課題であります。
今シーズンは大槻監督3年目ですが、好調だった昨シーズンのチーム編成を基盤にして、新加入の選手たちも含め皆でさらなる飛躍を目指したいと考えております。本年も、ファンサポーターの皆様には、大きな期待と熱い声援を、何卒よろしくお願いいたします。
◆松本大樹 強化本部長
今シーズンの補強ポイントについてお話をさせていただきます。昨シーズンはJ2リーグに参戦してから過去最高の成績を収めることができました。これはもちろん、現場スタッフ、選手をはじめ、今まで支えていただいたファン、サポーターの皆様、そして全てのステークホルダーの方の思いが届いたのではないかと考えております。
昨シーズンのリーグ戦終了後、まずは大槻監督続投というところから着手しました。今シーズンは13人の選手が新加入となります。選手の若返りを図ったところもありますが、しっかりとバランスを考えながら編成をしたつもりです。
昨年の良いところ悪いところを含めてしっかり考え、特に失点のところはリーグでも4位と少なく、得点でも過去最高の44得点を挙げることができました。もう少し前線のところで得点が欲しいということで、前の選手を替えました。
どのクラブもそうですが、まず点を取らなければ、勝ちを拾えません。今シーズンはそこを重視しながら、多くの選手、そして主力の選手にも残ってもらいました。
新加入選手については、ZOOMや直接会って口説き、今日、ここに13人の新加入選手が集まってくれました。戦術のところを含め、理解力の高い選手たちです。
大槻監督3年目で、私自身も5シーズン目になりますので、覚悟を持ってこのシーズンに向かっていきたいと考えております。
◆大槻毅 監督
3年目のシーズンの指揮を執らせていただくことになりました。ザスパにかかわる全ての方々に感謝しています。そして、クラブには歴史があって、今年はエンブレムが変わったりと、いろんなものが変化をする年でありますが、クラブの歴史にかかわってきた全ての人たちが積み上げてきたものを意識しながら、1年間頑張りたいと思います。成績やフットボールのところに関しては全ての責任を負うつもりでいます。僕が(ザスパに)来たときに少し感じたのは、ネガティブな空気がちょっとでもあると良くないんだっていうことです。毎日、ポジティブにちょっとでも成長できるように頑張りたいと思います。
新加入選手の紹介
◆MF27 藤村 怜(ふじむら・れん)
1995年5月26日生/北海道出身/176㎝・68㎏
【特徴】独特な間合いと類まれな攻撃センスでチームを司るボランチ。運動量が豊富で、ピッチのいたるところに顔を出し、精度の高いキックで局面を打開できる
いわてグルージャ盛岡から来ました藤村怜です。ポジションはボランチで、背番号27番です。ストロングポイントは、チームのために攻撃でも守備でも走れるところだと思っています。ザスパの印象は、監督、スタッフ選手含めて、点を取ったときにみんなで喜んでいる印象で、一体感がすごくあると思いました。移籍を決断した理由は、チームに一体感があって、その中でやれたら自分も成長すると思いましたし、やっているサッカー自分に合うんじゃないかと思い移籍を決断しました。今シーズンはどんな形であれ、チームが勝つために自分の力を全て出して貢献したいと思っています。
◆MF7 和田昌士(わだ・まさし)
1997年4月11日生/神奈川県出身/177㎝・74㎏
【特徴】繊細なボールタッチのドリブルやシュートで決定的なシーンを作れるアタッカー。守備面でも相手陣内の高い位置から球際への素早い寄せでボールを奪い、攻撃の起点となる。
いわてグルージャ盛岡から来ましたミッドフィルダー7番、和田昌士です。自分の良さは、ゴール前で決定的な仕事ができることだと思うので、それを出していきたいです。ザスパ群馬の印象は、母の親友のお父さんがザスパを作った大西忠生さんで、すごく縁を感じていたので、(今回の移籍も)何かの縁かなと思っています。移籍を決断した理由は、自分の良さを、より多くこのチームで出せると思ったからです。今シーズンは、たくさん点に絡んで、J1昇格できるように頑張りたいと思います。
◆DF3 大畑隆也(おおはた・りゅうや)
1997年10月12日生/群馬県高山村出身/180㎝・75㎏
【特徴】冷静な状況判断で最終ラインを支えるセンターバック。気迫のこもった球際の激しい守備と空中戦の強さで守備のギアをさらに上げる活躍に期待。
カターレ富山から来ましたディフェンダー3番の大畑竜也です。僕は地元が群馬なので、小さい頃からザスパを見ていて、いつかはザスパでプレーしたいと思っていました。移籍を決断した理由は、地元群馬のために戦いたいと思ったからです。このシーズンは、自分の全ての力を出し切って、地元群馬に貢献したいと思っています。
◆FW8 高澤優也(たかざわ・ゆうや)
1997年2月19日生/東京都出身/181㎝・75㎏
【特徴】流通経済大学卒業後にザスパに加入。2019シーズンのJ2復帰の立役者だ。優れた得点感覚と身体能力で、エリア内においてどんな形でも決定的な仕事ができる。献身性も兼ね備えており、攻守にわたる活躍に期待。
僕のストロングポイントは、ペナルティーエリア内でのヘディングです。ザスパの印象は、去年、町田ゼルビアとの正田醤油スタジアム群馬での試合を現地で見させていただいたのですが、「町田がボールを取れなくいくらいボールを持てるな」ということです。移籍を決断した理由は、ザスパは最後のところで得点を取る力が少し足りないのかなという印象と、やっぱり得点を取るという部分で(プレーをゴールという形で決める)最後の1人になりたいと思ったからです。去年は怪我をしてなかなかサッカーができなかったので、今年は怪我をしないように、そして群馬のために1年間、力を注ぎたいと思います。
◆DF4 船橋勇真(ふなはし・ゆうま)
1997年11月13日生/東京都出身/178㎝・80g
【特徴】強靭なフィジカルと推進力を武器にする攻撃的SB。守備はもちろん常に相手ゴールを目指す意識で決定的な場面を作り出せる。
AC長野パルセイロから来ましたディフェンダーの背番号4番、船橋勇真です。ストロングポイントは、サイドでバチバチと球際で戦えるフィジカルの強さだと思います。ザスパ群馬の印象は、チーム全体で流動的、能動的、献身的にすごい走るチームだなということです。移籍を決断した理由は、今までJ3でしかプレーしたことない自分に対して、「このチームのために戦ってくれないか」とオファーをしてくださったこともありますし、自分も戦術や技術の部分で成長につながるのではないかと思ったからです。まず怪我をせずに1年間通してしっかり戦える体作りをして、チームのために1点でも得点に絡んで、チームのためにしっかり体を張って守るプレーをしていきたいと思います。
◆GK39 真木晃平(まき・こうへい)
1998年7月31日生/岡山県出身/184㎝・86㎏
【特徴】恵まれたフィジカルを生かした力強いセービングと、1対1のシュートストップを武器にするGK。明るい性格で、チームの盛り上げ役割にも期待。
セレッソ大阪から加入しましたゴールキーパー背番号39の真木晃平です。ストロングポイントは力強いセービングと、1対1のセービングです。明るい性格なので、チームを盛り上げていけたらいいなと思っています。ザスパ群馬は、とても堅守で、サポーターとの距離が近いなっていう印象です。移籍を決断した理由は、セレッソを契約満了になり、声をかけてくださったのがザスパだったので、チームのために戦いなと思いました。今シーズンは、1試合でも試合に絡めるように頑張りたいと思います。1年間よろしくお願いします。
◆FW19 齊藤聖七(さいとう・せな)
2000年11月21日生/神奈川県出身/171㎝・66㎏
【特徴】スピードとテクニックを駆使したドリブルが得意なアタッカー。攻撃的なポジションであれば、どこでもプレーできるユーティリティー性もありながら、激しい守備もいとわない献身性も兼ね備えている。
清水エスパルスから加入しましたFW19番、齊藤聖七です。自分のストリングポイントは、自分の足元の技術でチームを前進させることと、得点の起点になることです。ザスパ群馬の印象は、去年のリーグ戦で清水エスパルスと戦っているのを見ていて、すごく攻撃的でアグレッシブで良いサッカーをしているということです。そんなザスパのサッカースタイルが自分にフィットするなと思っていたところにオファーをいただいたので、それも縁だなと思って移籍を決断しました。今シーズンは、個人としてプロキャリア2年目の大事なシーズンだと思っていますので、覚悟を持ってプレーしたいですし、クラブの目標遂行のためにも自分の全てを捧げる気持ちでプレーしたいと思います。1年間よろしくお願いします。
◆DF25 中野力瑠(なかの・りきる)
2005年12月19日生/東京都出身/184㎝・78㎏
【特徴】精度の高いフィード力で攻撃の起点を担える大型センターバック。身体能力の高さを生かし、攻守において存在感を発揮する。所属チームではキャプテンを務めていたため、リーダーシップにも期待。
桐生第一高校から来ましたディフェンダー背番号25番、中野力瑠です。ストロングポイントは、ビルドアップとパスの精度です。群馬の印象は、後ろから丁寧なパス回しをしたり、攻守にハードワークをするということです。加入を決断した理由は、練習参加をさせてもらって、自分のプレーがザスパのスタイルに合うんじゃないかなと思ったからです。まずは1年間、怪我をせずに、いち早く試合に出られるように頑張ります。
◆MF35 玉城大志(たましろ・たいし)
2001年4月10日生/埼玉県出身/173㎝・73㎏
【特徴】堅実なプレーで攻守に安定感をもたらすボランチ。精度の高い左足で相手のいないところに効果的な縦パスを入れつつ、機をうかがいながら前線まで顔を出してゴールに直結するプレーをする。大学ではキャプテンを務めており、キャプテンシーにも期待。
仙台大学から来ました玉城大地です。背番号は35番で、ボランチとサイドバックができます。ストロングポイントは左足のキックの精度です。ザスパの印象は、全員が当たり前のことを当たり前にできる、とてもいいチームだなと思ったのと、サポーターがとても熱いなと思いました。移籍を決断した理由は、自分が一番成長できる環境だと思ったからです。今シーズンはルーキーなので、フレッシュにひたむきに野心を持って頑張りたいと思います。
◆GK13 近藤壱成(こんどう・いっせい)
2001年1月15日生/奈良県出身/188㎝・84㎏
【特徴】正攻法からの積極的なコーチングとシュートブロックの上手さがストロングポイント。足元の技術も兼ね備え、GKとしての総合力が高い。真面目な人間性をチームに還元させてくれることにも期待。
ジェフユナイテッド市原千葉から来ましたゴールキーパー背番号13番の近藤壱成です。自分のストロングポイントは、チームに対してポジティブな形で発信できることと、ゴール前での1対1の強さだと思っています。ザスパ群馬の印象は、ゴールキーパーも関わったビルドアップが、対戦相手としては嫌な持ち方をしていて、それが魅力的だなと思っていました。移籍を決断した理由は、自分のサッカー選手としての価値を高めるために、そして自分の成長のために、このチームで日々トレーニングして試合に出場することを目指すこと一番ではないかと思ったからです。今シーズンは、このチームがより良くなるために、日々の練習から全力でプレーすることと、自分自身まだプロデビューしていないので、この1年で試合に出れるように頑張りたいと思います。
◆FW40 佐川洸介(さがわ・こうすけ)
2000年5月11日生/埼玉県出身/187㎝・90㎏
【特徴】恵まれたフィジカルを武器に、最前線でゴールを担うストライカー。身長の高さを生かしたヘディングとパンチ力のある左足のシュートで、相手の脅威になる。
東京ヴェルディから来ましたフォワード40番、佐川洸介です。ストロングポイントは、高さと左足のシュートでの展開が得意なので、そこを見てもらえれば嬉しいです。ザスパの印象は、自分がフォワードとして後ろから追っていったときに、一番ボールを取れなかったということです。本当に一人一人の上手さを感じました。移籍を決断した理由は、一人一人の上手さを見て、自分もここでなら成長できると思ったからです。今シーズンは2ケタ得点、チームではJ1昇格を目指して頑張りたいと思います。
◆DF29 田頭亮太(たがしら・りょうた)
2002年2月7日生/東京都出身/170㎝・67㎏
【特徴】攻守にわかって積極的なプレーができるサイドバック。1対1の守備で球際の強さを発揮し、攻撃面ではアグレッシブに前線へと駆け上がり、ペナルティーエリアに侵入するだけでなく、精度の高いクロスで、ゴールに直結するプレーを得意とする。
東洋大学から来ましたディフェンダー、背番号29番の田頭亮太です。ストロングポイントは、運動量を生かした攻撃参加と対人プレーです。ザスパの印象は、去年、特別指定選手としてチームに関わらせてもらって、「全員でしっかり守って全員で攻撃する」ところがとても印象に残っています。加入を決断した理由は、練習参加させてもらった時に、選手一人一人がサッカーに対して真面目に取り組んでいる姿が心に響いて、自分もこの中でサッカーをすれば成長できるのではないかと思ったからです。今シーズンはチームの呼称などが変わり、新たなザスパになっていくと思います。去年より強いザスパになっていくために、ルーキーだからと臆することなく思い切ってプレーして、チームの勝利に貢献できるように頑張りたいと思います。応援よろしくお願いします。
◆MF41 永長鷹虎(えいなが・たかとら)
2003年4月7日生/兵庫県出身/168㎝・60㎏
【特徴】サイドを主戦場とするアタッカー。キレのあるドリブルと卓越した技術を生かしながら、相手の脅威となる決定的な場面を作り出す。
川崎フロンターレから来ました、ミッドフィルダー41番、飯野鷹虎です。ストロングポイントは、他の選手とは違うようなドリブルであったり、ドリブルで変化をつけられることだと思います。ザスパ群馬の印象は、去年、(期限付き移籍で)水戸でプレーした時に、ゴールキックからでもビルドアップしてくる(対戦相手としては)嫌なチームだなと思いました。なかなか自分たちがボールを取れずに守備の展開を強いられてしまったことが印象に残っています。移籍を決断した理由は、僕のことを「欲しい」と言ってくれたからです。自分もこのチームなら力が発揮できると思いましたし、より自分の技術を試せるチームだと思いました。去年はなかなか結果が出せなかったので、ゴールやアシストを多く取って、チームに貢献したいと思います。
<了>