群馬ダイヤモンドペガサス新入団選手紹介。新監督は鈴木哲氏、新コーチには岡村隆則氏が就任

(前列左から)大貫礼央、平林渉、國弘愛斗、奥村隆則コーチ、鈴木哲監督、守屋大地、小原駿太、榊原元稀 (後列左から)清水哲也、阿部音音、片山朋哉、狩野大門、田中雄基、薗雄斗、小林貫大、川口堅

 12月11日(日)に高崎市内の球団事務所で、群馬ダイヤモンドペガサスの2023年度新加入選手14人の入団会見と共に、新監督・新コーチの就任会見が行われた。
 来季の指揮官として新たに迎えたのは、慶應大学から熊谷組でプレーし、のちに西武ライオンズ(1990~93、96~97)や広島東洋カープ(94~95)で投手として活躍した福島県出身の鈴木哲氏。引退後は西武のスカウトや二軍ディレクターを務めた経験もある。糸井丈之球団会長は、「私が慶應出身なもので、私の目の黒いうちに、一人でも慶應から監督を迎えたいという思いは前からあったのは事実でございます」と、大学の先輩にペガサスの指揮を託した。
 ペガサスは、前任の牧野塁監督の下で、速水隆成(2021年育成2位で日本ハム)と西濱勇星(2022年育成1位でオリックス)の2選手をNPBに送り出している。スカウト経験の長い鈴木を招へいしたことについて糸井会長は、「いろんな形でペガサスの次の世代に向けて足固めをしていただくために(鈴木氏に監督を)お願いしました。スカウトの経験から全国各地のいろんな高校や大学はもちろん、他球団のスカウト等の人脈も豊富でございます。いろんな形で網を張っていただいたりしながら、ペガサスのこれから先の可能性を形にしていってほしい」と語った。

鈴木哲新監督

 また、コーチには鈴木氏の推薦で岡村隆則氏が就任。山口県出身の岡村氏は中央大学から河合楽器に進み、第一期黄金時代の西武(81~88)で外野手として活躍した。現役引退後は、西武のスカウトや一軍外野手守備走塁、一塁ベースコーチを、12年からラインズアカデミーの初代校長を務めた。今年ドラフト1位で西武に入団した蛭間拓哉(桐生市出身、浦和学院高校~早稲田大学)は、埼玉西武ライオンズジュニアで監督をしていた時の教え子でもある。
 ペガサスは来春から中学生年代のリトルシニアをスタートさせ、将来は女子野球にも参入したいとの構想もある。さらには子どもの育成も含めた組織づくりにも取り組む意向だ。そのため鈴木氏や岡村氏には選手の指導だけでなく、「これまでの経験を十分活かし、大所高所から組織作りについてもお手伝いいただこうと思っています」と糸井会長は彼らの手腕にも期待する。
 監督就任に当たり鈴木氏は、「チームの優勝はもちろん、いろんな形で選手が向上心を持ってできるような環境づくりをしてまいりたいと思います」と意気込みを語った。岡村氏も「チームが優勝するために我々も応援していきたいと思います。まずは選手の夢への手助けをぜひしたいと思います。我々もスカウトをたくさん知っておりますので、いろんな売り込みをやりたいと思います」と、これまでの経験をペガサスに注ぎ込むと誓った。
 今回、入団会見を行った14人のほかに、練習生で3~4人を獲得予定。来年3月1日に合同自主トレがスタートし、4月8日にリーグ開幕戦を迎える。

 以下、新入団選手の紹介と共に、糸井会長から獲得の経緯を記した。

【投手5人】

◆榊原 元稀(さかきばら・もとき) 背番号11

榊原投手

2000年5月19日生まれ、兵庫県出身、176㎝・75㎏、右投右打。石見智翠館高校~大阪観光大学。最速144キロ、持ち球はカーブ、スライダー、カットボール、チェンジアップ、スプリット。
<獲得の経緯>
以前、ペガサスにいた捕手の柴田幸暉が大阪観光大学のコーチからの推薦。今年の夏前にペガサスに練習参加した際に、コントロールのよさを評価。

<意気込み>
チームのスタッフから必要とされる選手になりたい。

◆田中 雄基(たなか・ゆうき) 背番号18

田中投手

1999年3月15日生まれ、神奈川県出身、184㎝・90㎏、右投右打。大森学園高校~流通経済大学~茨城日産硬式野球部(21~22)。最速147キロ、持ち球はスライダー、カットボール、カーブ、フォーク。
<獲得の経緯>
ペガサスに在籍していた茂木慎作の大学、社会人時代の1つ下の後輩。球速は速いが、投球のまとまりも含めて少し粗削りな部分はある。大学、社会人と力を発揮できなかった悔しさを独立リーグで晴らしてほしい。

<意気込み>
チームの戦力になるために頑張ります。

◆薗 雄斗(その・ゆうと) 背番号21

薗投手

2000年7月20日生まれ、奈良県出身、185㎝・86㎏、右投右打。岡山学芸館高校~城西大学。最速148キロ、持ち球はスライダー、カットボール、フォーク。
<獲得の経緯>
今年の首都大学野球秋季リーグ2部優勝の立役者。ペガサスの初代監督で、同大の特別コーチを務めている秦真司氏から「社会人のような安定したところよりも独立リーグで勝負したいという気概のある選手がいる」との推薦があった。

<意気込み>
チームの優勝はもちろん、個人としてはNPBに行けるように頑張りたい。

◆小林 貫大(こばやし・かんた) 背番号27

小林投手

2004年10月2日生まれ、福島県出身、180㎝・75㎏、右投左打。光南高校。最速142キロ、持ち球はスライダー、カーブ、チェンジアップ、スプリット。
<獲得の経緯>
福島の光南高校のエースで、打撃でも3番を打っていた主軸。今夏の全国高等学校野球選手権福島大会決勝戦で、聖光学院に敗れたものの準優勝するなど、福島県内で名前の通った選手でもある。二刀流で可能性を突き詰めてもらい、それを支援したい。地元の福島のチームではなく、群馬に来てほしいとお願いした。
<意気込み>
年上の方に負けないぐらい全力を出して、NBPに行けるように頑張ります。

◆川口 堅(かわぐち・けん) 背番号45

川口投手

2000年4月23日生まれ、岡山県出身、180㎝・90㎏、右投右打。聖光学院高校~城西大学。最速145キロ、持ち球はカーブ、スライダー、チェンジアップ。
<獲得の経緯>
薗選手と共に城西大学の主戦として、チームのリーグ優勝に貢献。非常に力のある投手。先発、抑えなど起用法についてはこれから決める。

<意気込み>
リーグの顔になれるように頑張っていきたいと思います。

【捕手】

◆守屋 大地(もりや・だいち) 背番号12

守屋捕手

2000年3月21日生まれ、神奈川県出身、172㎝・77㎏、右投右打。暁星高校~東京大学。
<獲得の経緯>
練習参加したいという話があった。大学では2番手のキャッチャーで、試合にはあまり出場できなかった。非常にまじめで、前向きで、人間性も含めて面白いと思った。大学4年間を終えてやりきれなかった思いがあり、独立リーグで頑張りたいという意気込みを買った。社会人野球でプレーする東大の同級生に負けないで、上の世界を狙う覚悟で頑張ってほしい。

<アピールポイント&意気込み>
アピールポイントは肩の強さなので、しっかりと守備面で貢献してチームを勝利に導きたい。

【内野手】

◆小原 駿太(おばら・しゅんた) 背番号8

小原選手

1998年11月12日生まれ、宮城県出身、178㎝・87㎏、右投右打。仙台南高校~宮城教育大学~オセアン滋賀ブラックス(2021)・滋賀GOブラックス(2022)。
<獲得の経緯>
滋賀の首位打者。2021年に滋賀とBCリーグプレーオフ決勝ラウンドを戦って優勝した時に対戦している。滋賀のチーム事情で、最後の明け込みでトライアウトに出てきた。彼を見た瞬間、他の選手のレベルより頭一つ抜けていた。即戦力として、クリーンアップの一角を担ってもらいたい。

<アピールポイント&意気込み>
アピールポイントは肩の強さとバッティングです。滋賀では首位打者で、長打も打てるのでチームに貢献していきたいと思います。

◆大貫 礼央(おおぬき・れお) 背番号13

大貫選手

2001年7月13日生まれ、栃木県出身、180㎝・75㎏、右投左打。宇都宮工業高校~栃木ゴールデンブレーブス(2020~22)
<獲得の経緯>
高校を卒業し、地元の栃木ゴールデンブレーブスで3年間プレーし、ペガサスとも対戦していて、「いいバッターだな」と思って見ていた。栃木からペガサスに来た茂木丈汰、新山進也から、シーズン中に「群馬でやりたい」との話を聞いていた。外野ならどこでも守れるオールマイティーさがあるが、彼の売りは打撃。その打撃力を生かし、自分のポジションを勝ち取ってほしい。

<アピールポイント&意気込み>
アピールポイントはバッティングなので、少しでもチームの勝利に貢献したいと思います。

◆平林 渉(ひらばやし・じょう) 背番号63

平林選手

1999年9月23日生まれ、東京都出身、165㎝・65㎏、右投左打。加茂暁星高校~美唄ブラックダイヤモンズ(2021~22)。
<獲得の経緯>
北海道フロンティアリーグの首位打者になるなど、結果を出している。東京出身であるため、関東でプレーしたいという思いがあり、ペガサスにも練習参加していた。伊達に北海道の首位打者じゃないぞというところを見せてほしい。

<アピールポイント&意気込み>
アピールポイントは、ヒットを打つことはもちろんなんですけど、勝負強い打撃が持ち味なので、期待してほしいと思います。

【外野手】

◆國弘 愛斗(くにひろ・まなと) 背番号4

國弘選手

2001年2月4日生まれ、埼玉県出身、174㎝・70㎏、右投左打。朝霞西高校~淑徳大学埼玉キャンパス。
<獲得の経緯>
売りは、足の速さ。守備範囲の広いのも特徴。あとはバッティングでどれだけ勝負できるか。大学から次のステージに進むには門戸が狭い。彼が活躍することで、「東京新大学野球連盟の2部リーグにもこんな逸材がいるんだ」と世に知らしめてほしい。

<アピールポイント&意気込み>
アピールポイントは、足の速さを生かした積極的な走塁です。1年目からBCリーグの記録を更新できるように頑張りたいと思います。

【練習生 投手】

◆清水 聖也(しみず・せいや) 背番号31

清水投手

1999年7月20日生まれ、東京都出身、178㎝・83㎏、右投左打。三鷹中等教育学校から中京大学~愛媛大学~信濃グランセローズ(2022)。最速144キロ、持ち球はストレート、カットボール、スライダー、カーブ、チェンジアップ。
<獲得の経緯>
シーズンの早い段階から「来年は群馬で」という話が間接的にあり、練習参加してもらった。練習生と支配下の入れ替わりがあり、そこで自分で支配下を勝ち取る覚悟があるならと、まずは練習生として契約した。非常にまじめな性格で、練習に取り生む姿勢も評価している。チームの中で居場所を勝ち取ってもらいたい。

◆阿部 音音(あべ・ねね) 背番号36

阿部投手

2000年7月20日生まれ、山形県出身、171㎝・69㎏、右投右打。仙台育英学園高校~桜美林大学。最速142キロ、持ち球はカットボール、スライダー、カーブ、スプリット、フォーク、ツーシーム。
<獲得の経緯>
体はそんなに大きくないが、大学で野球をやり切れなかった悔いが残っている。非常に真摯な性格で「チャンスを与えてください」ということなので、練習生として獲らせていただいた。

◆狩野 大門(かのう・たもん) 背番号49

狩野投手

1999年7月29日生まれ、東京都出身、177㎝・84㎏、右投右打。東京都市大学塩尻高校~中京学院大学~すながわリバーズ(2022)。最速148キロ、持ち球はカットボール、スライダー、カーブ、スプリット、フォーク、ツーシーム。
<獲得の経緯>
北海道ベースボールリーグで、13勝0敗という結果を残した。時期が遅かったこともあり、支配下の枠がなく、「練習生なら」ということで獲得した。

【練習生 内野手】

◆片山 朋哉(かたやま・ともや) 背番号14

片山選手

2001年6月19日生まれ、京都府出身、172㎝・83㎏、右投右打。関西高校~オセアン滋賀ブラックス(2020~21)・滋賀GOブラックス(2022)。
<獲得の経緯>
リーグのトライアウトで支配下枠が限られている中で、滋賀の関係者から「練習生でもいいから片山も獲ってほしい」と話があり、本人も「練習生でもいいからチャンスをもらって、そこから支配下を勝ち取ります」という言葉に気概を感じた。彼のバッティングは頭一つ抜きん出ているのは事実。

<了>