群馬クレインサンダーズ 84-83 滋賀レイクスターズ
2022年3月30日、太田市運動公園市民体育館 観客数1349人
今年1月29日に開催予定だった滋賀レイクスターズ戦の代替試合が3月30日(水)に太田市運動公園市民体育館で行われ、平日の夜にもかかわらず1349人の観客が集まった。サンダーズは、13連敗中の西地区10位の滋賀と接戦を演じ、4Q残り3.5秒にトレイ・ジョーンズのフリースローで逆転に成功。84-83で昨年12月12日以来のホーム戦勝利を飾った。
取材/星野志保(EIKAN GUNMA)
サンダーズは、けが人や新型コロナウイルス感染症の影響でなかなか全員揃っての練習ができずにいたが、シーズン終盤に向けようやく全員揃った。この日は、五十嵐圭が5試合ぶりにコートに戻り、1Qで笠井康平に代わってコートに立った直後に3ポイントシュートをリングに沈め、チームを勢いづけた。
前半を44-34と滋賀に10点差をつけて後半に折り返したが、滋賀のHCは現役スペイン代表のアシスタントHCで百戦錬磨の手腕を持つルイス・ギル。サンダーズは、ディフェンスのシステムを頻繁に変える滋賀のチェンジングディフェンスに苦戦し、試合の流れをつかみきれずにいた。さらにサンダーズを苦しめたのが滋賀の「ボックスワンディフェンス」だ。4人がゾーンで守り、1人を攻撃の要であるトレイ・ジョーンズにマンツーマンでピタリとつけ、攻撃を封じ込めるというもの。
3Qを62-62の同点で終えたサンダーズは、4Qに底力を見せて滋賀を振り切りたいところ。フィリピン代表のキャプテンであるキーファー・ラベナにこのQだけで10得点を奪われたが、サンダーズもジャスティン・キーナンがフリースロー8本中5本を含む12得点を入れる活躍で、両チーム共に譲らない展開が続いた。
勝敗の決着は試合終了間際までもつれ込んだ。4Q残り30秒で、ジョーンズの2ポイントシュートで82-83と1点差に縮めて、サンダーズは勝利への可能性をつないだ。残り10秒で滋賀のラベナが3ポイントシュートを放ち試合を決定づけようとするもシュートは外れた。そのリバウンドを拾ったジョーンズが速攻を仕掛けると、リング下に戻っていたラベナに倒され、フリースロー2本を獲得。残り時間わずか3・5秒。ジョーンズがフリースローを決めれば逆転勝利の展開。プレッシャーのかかる中、ジョーンズがフリースロー2本をきっちりとリングに沈め、84-83と逆転に成功。すかさず滋賀は後半3回目のタイムアウトを取り、残り3.5秒でスローインからシュートを狙う作戦に出たものの、ラベナの放ったシュートはリングから外れ、ここで試合終了。最後のフリースローで決着がつく接戦をものにしたサンダーズは3連敗に終止符を打った。
試合後、苦しい展開になったことについてトーマス・ウィスマンHCは、「アウトサイドプレーヤーがターンオーバーして、相手の簡単なシュートにつながった。3ポイントシュートがワイドオープン(相手ディフェンスをかわし、フリーの状態でシュートを打つこと)なのに入っていなかった。チームとして簡単なシュートを決めきることをやっていきたい」と語った。
中2日で、今季初対戦となる東地区2位のアルバルク東京をホームに迎える。A東京は、新型コロナウイルス感染症陽性者とケガ人の影響で30日のレバンガ北海道戦は9人での戦いを強いられ、1月26日以来の敗戦となった。2日(土)、3日(日)のサンダーズ戦でも3月31日時点で新型コロナウイルス感染症の陽性反応が出ている安藤周人とケガで離脱中のライアン・ロシターの出場は難しい。
ウィスマンHCが滋賀戦後に「今日のような試合をしていたのでは、A東京には勝てない」と口にしたが、3ポイントシュートの確率を上げ、ターンオーバーを少なくできれば、勝利を手繰り寄せられるはずだ。A東京戦で連勝できれば、チャンピオンシップ出場向けてチームは勢いに乗るだろう。
<了>