群馬クレインサンダーズが新指揮官の下で始動!

 群馬クレインサンダーズが、新シーズンに向け8月16日に始動した。太田市内の学校の体育館で午後7~10時まで、合流が遅れているジャスティン・キーナンを除き、11人の選手が新指揮官トーマス・ウィスマンHC(ヘッドコーチ)の下、初日からハードに練習をこなした。
 トーマス・ウィスマンHCは、これまでイギリス、香港、マレーシア、日本、カタールで代表HCを務めた名将。日本でも2008-09シーズンにリンク栃木ブレックス(現・宇都宮ブレックス)でHCに就任すると翌シーズンにはチームをJBL優勝に導き、最優秀監督賞を受賞。その手腕を買われ、2010-12年まで男子日本代表HCに就任。2014-15シーズンに再びリンク栃木に戻ると、Bリーグ初年度の2016-17シーズンにはチームを再び日本一に導いている。
 ウィスマンHCは、初日の練習からディフェンスの際の守り方などの動作を、身振り手振りを加えながら細かく指導。選手たちも初日の練習とは思えないほど、真剣にHCの話を聞き、ハードに練習をこなしていた。

ディフェンスの動きを細かく指導するトーマス・ウィスマンHC

 今年1月に筑波大学から特別指定選手としてチームに加入した菅原暉は、「個人練習(自主練習)のときは結構、穏やかで的確にアドバイスをしてくれたんですけど、今日は一変して走らせてきましたね。こんなに走るとは思ってもみなかった」と、きつい練習に驚きを口にしたが、その表情は生き生きとしていた。
 サンダーズの開幕戦は、10月1日のアウェイでの宇都宮ブレックス戦。これから開幕戦までは、プレシーズンマッチをこなしながら、今シーズンの目標であるチャンピオンシップ進出を目指してサンダーズのバスケットを作り上げていく。
 以下に、練習後にインタビューしたウィスマンHC、チェコ代表として東京五輪でも活躍した身長217㎝のオンドレイ・バルヴィン、新潟から加入した現役最年長選手の五十嵐圭、今シーズンもガードとしてさらなる成長が期待される2年目の笠井康平、昨シーズンは特別指定でチームに加入するもケガを治すことに専念し、今シーズンにかける思いの強い菅原暉のコメントを紹介する。

■トーマス・ウィスマンHC

トーマス・ウィスマンHC

フルコートで走れる、ディフェンスの良いチームを作る

――今日の練習初日のポイントと手ごたえを教えてください。

 1日目は話したり説明したりすることが多くて、今日はそういったところで選手たちとコミュニケーションが取れ、いい状態で練習ができた。
 今日の練習のポイントは、初日なんですが、選手たちにストレスを与えました。リバウンドの練習で競争をさせて、ペナルティーを科しました。3対3、5対5の中でどれだけ選手たちができるのかをコンディションを見ながら、その中で選手たちを競争させました。

――ディフェンスの練習では、体の使い方を細かく指導していました。

 ディフェンスはすごく大事。中でも一番大事なピックアンドロールの守り方の基礎のところをやりました。ただ今日は、ポジションの取り方やカバーリング、ローテーションの所はまだやっていないので、まず基礎から始めて段階的に選手に説明したいと思います。ディフェンスが良いチームは必ずリーグの上位にいるので、しっかりディフェンスを突き詰めてやっていきたいと思っています。

――今日は初練習でしたが、選手たちに「こういうチームを作りたい」と伝えたのですか?

 約束事として、みんながこのチームに対して犠牲心を持ちながら周りも助け合い、互いを信じることを伝えました。今、このまだ良いチームではありません。良い個人が集まってできているグループです。私が言ったことを皆が責任を持って遂行すれば、良いチームになると思います。良いチームさえできれば、Bリーグの中でしっかりと上位を狙って戦っていけると思います。

――今シーズンの目指すところは?

 今、自分たちが最大限のことをして、その結果がどう出るかしか言えません。吉田(真太郎)GMが呼んだ選手たちが自分たちのやるべきことをしっかりフォーカスすれば、チームはB2からB1に上がったばかりでも1年目でチャンピオンシップに行けるポテンシャル(可能性)は持っています。目標ばかりがあると、目の前のことがおろそかになったりするので、まずは自分たちのチームを作ること。自分たちのプレーにフォーカスすれば、自(おの)ずと結果はついてくると思います。

――どんなプレースタイルのチームになりそうですか。

 もちろん、対戦相手にもよりますが、基本的にはオフェンスでもディフェンスでもフルコートで走れるチーム、ディフェンスから始まるチームを作っていきたいですね。そのため、今日の練習ではどれだけ選手たちが走れるのかを見ました。

――キーとなる選手は?

 自分の中では全員がキープレーヤーです。経験上、選手それぞれに良いところがあって、またそれぞれに欠点もあります。選手の特長を理解した上で使い分けていきます。

――東京五輪でもチェコ代表として活躍した217㎝のオンドレイ・バルヴィンの加入はこのチームにどんな影響が与えそうですか。

 彼の加入はこのチームにとっては大きなことで、必ずチームにフィットすると思います。あの身長でクイックに動ける選手はそんなにいないですし、フットワークも良い。チームとして彼をフィットさせなきゃいけないし、すごく楽しみな選手です。

――これまで日本で、栃木(現・宇都宮ブレックス)を率いて2度、チームを日本一に導いています。優勝できるポテンシャルはこのチームにはあると思いますか。

 今の時点では、このチームがそれをできるとは断言できませんが、もちろん、日々努力して優勝できるチームに近づけていきたいと思います。
 そのためには、まずは開幕戦が大事になります。1試合目を勝つことによって、皆に自信がついて、「B1でも戦えるんだ」と思うので、開幕戦の1試合目を大事にしたいですね。まだまだ勝てるチームではないので、しっかりチームを作っていきます。

――B1で戦う難しさは?

 Bリーグ自体が急速に成長していますし、すごい良いリーグになっています。今、Bリーグは東地区、西地区と2つの地区に分かれていますが、私たちが所属する東地区は強豪チームが揃い、厳しい戦いになるでしょう。ただ、急成長しているリーグの中で、自分たちも成長できるのは、難しさもありながら幸せなことだと思っています。

■オンドレイ・バルヴィン

オンドレイ・バルヴィン(C、217㎝・110㎏、新加入)

新たなチャレンジをしたいと、日本でのプレーを決断

――今日、初めてチームに合流しました。チームの印象はいかがでしたか。

 まだ選手一人ひとりがどういう感じなのかつかめていないので、今、ここで言うのは難しいですね。日本に初めて来て、Bリーグ自体も初めてだし、他のチームも見ていないし、今、自分たちがどの位置にいて、どのレベルなのかもわからないんです。これから皆としっかりコミュニケーションを取って、チームとして構築できるようにしていきたいと思っています。

――東京五輪にもチェコ代表として出場されましたが、疲れはありませんか?

 正直、ここ2年間は休みがなかったんです。これまでスペインリーグにいたのですが、コロナ禍でもリーグは続いていたので、その中で東京五輪に向け代表としても活動していましたから。今回、五輪が終わって、(サンダーズの)自主練期間というのもあって、2週間のオフが取れました。その中でもちょっとは動いていたのですが、今日、練習をやってみて、あと1、2日したらちゃんと動けるようになると思います。コンディションは良いほうだと思います。

――チェコでバスケットボール選手としてキャリアをスタートさせて、これまでドイツ、スペインでもプレーしました。今回、なぜ日本でのプレーを選んだのですか。

 今回、日本に来るのは大きなチャレンジでした。11年間ヨーロッパのリーグにいたのですが、今回、日本からお話をいただいて、自分自身チャレンジしたいという気持ちが強くて、日本でプレーすることを決断しました。日本代表が、スペインや他のヨーロッパのチームと戦っているのを見て、日本のリーグもレベルが高くなっているんだなと思っていましたので、そこも考慮して、サンダーズとお話して、日本に来ることに決めました。

――日本の他チームからのオファーはあったのですか。

 ありました。詳しくは言えないのですが、いろいろと話を聞いた中で、サンダーズが一番良いと思ったんです。

――サンダーズを選ぶ決め手となったのは何だったのですか。

 チームのビジョンはもちろん、クラブには強力なオーナーがいると聞いて、将来のことを見ているチームなんだと思いました。吉田GMからも熱い言葉をいただいて、サンダーズでプレーすることを決めました。

――ご自身のプレーでのストロングポイントを教えてください。

 一番は、リバウンド。アリウープなど、パスをキャッチしてそのまま点を決めることと、リバウンドを取ってシュートを決めることです。ゴール下やゴールに近い所のプレーは自分の強さだと思います。

――最後に、東京五輪では、アメリカ代表と同じグループに入りました。彼らと戦った感想を教えてください。

 アメリカ代表は金メダルを獲りましたが、一番良いチームだと思いました。スペインでプレーしていた時も、ヨーロッパのリーグとNBAの間にいるようなレベルの選手たちと戦ってきましたので、アメリカ代表と戦ったことは良いレッスンになりました。本当に彼らをリスペクト(尊敬)しています。

■五十嵐 圭

五十嵐 圭(PG、180㎝・73㎏、新加入)

これまでの経験をサンダーズに還元する

――サンダーズでの初練習はいかがでしたか。

(ジャスティン・)キーナン選手がまだ合流していませんが、今日から選手、スタッフ揃っての始動ということで、初めて顔を合わせる選手もいました。これからコミュニケーションを取りながら、少しずつチームをいい状態に持っていければいいかなと思います。

――ウィスマンHCの印象は?

 結構、細かいところに時間をかけていました。練習時間は他チームよりも少し長いと思いますが、HC自身も8月は自分のバスケットのスタイルをみんなに植え付けたいと思っていると思います。ウィスマンHCに指導を受けていた選手や、彼の下でスタッフとして働いていた人たちから話を聞いたりしていたので、なんとなく、こういうことをやりたいのだなというのはわかりました。HCも話す機会を設けてくれたりしているので、しっかりコミュニケーションを取りながらやっていきます。

――どんなシーズンにしていきたいですか。

 自分自身、覚悟を持ってサンダーズに移籍してきましたし、もちろん結果を出さなければいけないと思っています。チームとしてはB1初挑戦になりますが、選手やスタッフの入れ替えもありましたし、ほとんどの選手がB1を経験しているので、(B1初年度だからと)言い訳はできません。その中で、自分たちがどれだけB1の上位チームと戦っていけるのかをしっかり見せないといけません。もちろんチームの目標はありますが、まずはHCの求めるものを理解して、それをコートの中で出していければ、自然と結果はついてくると思っています。

――リーグ最年長選手になりますが、これまでの経験をどう生かしていこうと考えていますか。

 キャリアも長いし、リーグで最年長という立場になりますので、これまでいろんなチームで培ってきた経験をサンダーズに還元できればいいと思っています。まだまだ選手としてチームを引っ張っていきたいです。


――今回、メンバーやスタッフを大幅に入れ替えましたが、チームとしてまとまっていくために課題となっているところは何だと思いますか。

 僕自身、移籍を何回か繰り返してきたこともありますが、新しく移籍を経験した選手、初めて日本でプレーする選手もいて、そういった選手たちとコミュニケーションを取りながらやっていきたいと思います。ただ、チームとしてまとまるようになるには時間がかかります。幸いにもシーズンが始まるまでに時間があるので、まずは8月中にHCのバスケットを理解して、それをコートの中で表現できるようにしなければなりません。皆、いい大人ですから、それはわかっていると思います。今シーズンは、僕も含め、ベテランと言われる人たちが多く加入してきたので、今までのサンダーズとは違った大人なチームになるんじゃないかな。

――今シーズンの個人としての目標を教えてください。

 Bリーグが始まってからずっと言ってきたのですが、得点の部分では1試合15得点、5アシストぐらいは獲りたいですね。Bリーグになってから一度もこの目標をクリアできていないんです。この数字をクリアすることで、チームの勝利に貢献できると思っていますし、その数字に近づけるようにしていきたいです。

――年々、パフォーマンスが上がっているのではと思います。

 どうですかね(笑)。それは、見ている皆さんに判断してもらいたいと思います。「五十嵐、全然ダメになったよ」「群馬に来てダメになったよ」って言われないようにしなければなりません。それは前所属に新潟に対しても新潟出身の選手として、群馬で活躍することが恩返しになると思っていますから。新潟の皆さんにも「五十嵐、群馬でしっかりやっているな」と思ってもらえるようにやりたいですね。

■笠井康平

笠井康平(PG、175㎝・76㎏、在籍2年目)

ケガをせず、全試合出場する!

――昨シーズンはB1の名古屋からB2のサンダーズに移籍してきましたが、今シーズンは再びB1で戦いますね。

 B1で個人としても結果を出さないと、社会人チーム(四国電力)を辞めてプロに来て成功したとは言えないので、ようやくスタートラインに立てたなという気持ちと、昨シーズンはB2とはいえ、個人としても結果を出せたので、そういった部分を自信に変えて、しっかり戦っていけたらという気持ちです。

――B1で戦う難しさはどんなところにありますか。

 昨シーズンは、個人の能力が高かったので、個で打開できていたことが多かったのですが、B1では相手にチームで守られることも多くなりますし、昨シーズンのように困ったときに誰かに任せるというのは通用しないと思うんです。ポイントガード(PG)として周りともっとコミュニケーションを取らないといけないですし、練習から細かなところまで突き詰めて、チームとしてしっかりとした形を作って試合に臨まなければなりません。皆で意思疎通を図って、チームの土台をしっかり作っていけば、今シーズンは本当に良いメンバーがそろっているので、(順位は)行けるところまで行くんじゃないかと思っています。

――同じポジションに五十嵐選手が加入しました。

 昨シーズン、小淵(雅)さんから学んだように、(五十嵐)圭さんからも学べるものは学びたい。同じポジションですが、圭さんは自分でシュートまで持って行くタイプで、僕は周りを使うタイプだと思っているので、もしかしたら、僕と圭さんで、1、2番ポジションで同時にコートに立つタイミングもあるんじゃないかと考えています。そのためにも圭さんとコミュニケーションを取れる関係を絶対に作っていかなきゃいけない。圭さんが1番ポジションをするとしても負けないように練習からしっかりやって、ポジション争いをしたいと思います。ライバルというより、一緒に勝つパーツとしてやっていけるのかなと思っています。

――ウィスマンHCの指導はいかがでしたか。

 HCの思い描くものがはっきりしているので、それに皆がしっかり乗って良ければ、いい結果が出るんじゃないかと思いました。

――今シーズンはどんなバスケットになると思いますか。

 HCが「ディフェンスがメインで、ディフェンスからオフェンスに」という位置づけにしたいと言っていたので、僕のバスケットとすごく合うかなと思いました。その中で、トレイ(・ジョーンズ)だったり、アキ(・チェンバース)だったり、マイク(マイケル・パーカー)だったりは走れる選手なので、ディフェンスを頑張って彼らの走るテンポに皆がついていけるようになれば、見ていて楽しいバスケットができるんじゃないかと思いますし、すごく勢いのあるチームになれるんじゃないかなと思います。
 これまでのB2からB1に上がったチームの中では、選手を見てもすごくいいと思っているので、昇格組の中で過去一番の成績を残せたらいいですね。

――今シーズンの目標は?

 昨シーズンは、ケガなく全試合に出場できたので、B1でもケガをせず全試合に出場してシーズンを戦い抜くことが目標です。自分のスタッツがどうこうというよりチームを勝たせられるガードになりたいですし、頭を使って、ハードワークしているのを体現できたらいいと思っています。

■菅原 暉

菅原 暉(PG、183㎝・83㎏、在籍2年目)

杉本と二人で、新人賞ベスト5を取りたい!

――筑波大学4年生だった今年の1月に特別指定選手でサンダーズに加入しましたが、ケガで昨シーズンは試合に出場できませんでしたね。

 インカレの準決勝で足をケガしてしまって、昨シーズンもちょっと無理をすれば試合に出られたんですけど、無理はしないで今シーズに向け調整をしてきました。

――昨シーズンは、ベンチに5試合入りましたが、プレーオフで平岡(富士貴)前HCが、菅原さん自身が出場を遠慮したと言っていました。

 レギュラーシーズンでも試合に絡めていなかったですし、足の調子もそんなに良くなかったんです。一発勝負の大事な試合で僕が試合に出ても……というのがありましたので、気持ちを切り替えて、来シーズンに向け、しっかり調整すればいいという話をHCとしました。

――試合には出られませんでしたが、昨シーズン、ベンチからチームを見ていて、学んだことはありましたか。

 たくさんありましたね。33連勝という偉業を成し遂げて、僕が来てからもあまり負けていなかったですし、勝つ文化を学べたと思います。

――大学3年生の時は、B1の横浜ビー・コルセアーズに特別指定選手として加入して2試合ほどプレーしましたね。

 その時は、コロナでシーズンが途中で終わっちゃって。もう少し試合がしたかったです。ただ、横浜では、これまで外国籍選手と一緒にプレーしたことがなかったので、その部分ではいい経験になりました。ガードの僕からしたら、大きな選手が味方にいるし、パスを出しやすいし、プレーしやすいなあという印象を受けました。

――昨シーズン、なぜサンダーズでプレーしようと思ったのですか。他チームから声がかかっていたと思いますが。

 もちろんB1のチームがよかったんですが、B2のサンダーズに声をかけてもらったとき、チームビジョンを明確に伝えてもらったので、そこに惹かれたのが一番の理由でした。昨シーズンのメンバーを見てもサンダーズはすごい補強をしていましたし、オープンハウスがバックアップしているというのも決め手になりました。

――菅原さんが惹かれたチームビジョンとは何だったのでしょうか。

 B1昇格初年度(今シーズン)にチャンピオンシップに出場して、次のシーズンにはベスト4,その次のシーズンには優勝という明確な目標があったり、太田アリーナができることだったり。それから2026年に新B1リーグが誕生しますが、そこに参戦できる条件を満たす力がサンダーズにはあると確信したので、そういう将来性のあるチームに行きたいと思ったんです。そして新しいチームで僕も成長したいというのもありました。

――ウィスマンHCの下での初日の練習はいかがでしたか。

 個人練習をしているときは結構穏やかで、的確にアドバイスをしてくれたんですけど、今日は一変して走らせてきました。こんなに走るとは思ってもみませんでした。
 (大学3年のとき)特別指定で横浜に行った2019-20シーズンは、ウィスマンさんがHCだったのですが、僕が特別指定でチームに加入した時にはすでにウィスマンさんは(2月1日に契約解除されて)いませんでした。当時、ウィスマンHCの下で横浜は勝ち星を重ねていたと思います。(今日の練習からも)こういうことをしていけば勝てるんだなと思いました。チームにはタレントも揃っているので、HCについていくだけだと思いました。

――HCの細かい指導についてはどう思いましたか。

 昨シーズンとは違い、こういう細かい指導もいいなと思いました。B1は能力だけで勝てる舞台ではないし、しっかりと細かい部分まで突き詰めてやらないと戦えないと思うので、今日、教えてもらったことをしっかりと復習します。また明日から新しいことを教えてもらうと思うので、しっかり準備します。

――今日の練習で新たな発見はありましたか。

 やっぱり、バルヴィンの(217㎝という)大きさは初めての経験だったのでびっくりしました。彼は世界でトップクラスの選手なので、そういう選手と一緒にプレーできるのはなかなかないし、僕も彼を生かすプレーをしていきたい。今日、やっただけですが、「上に投げておけばいいな」って感じでした。

――今日は、楽しそうに練習をしていましたね。

 昨シーズンにサンダーズに加入してから、しっかりと練習に入ったのは今日が初めてだったんです。5対5にちょっと入ったりしていましたが、全部の練習に入っていたわけではなかったんです。今日、初めて全部の練習に入って、このきつさだったので大変でしたけど、これからどんどんコンディションを上げていきたいと思います。

――菅原選手の良さはゲームメーク、シュートの確率の高さといろいろありますが、特にどこを見てほしいと思いますか。

 幅の広いプレーを見てほしいですね。それからこのチームはタレントが揃っているので、彼らを生かすプレーも見てほしいですね。僕は「パスファースト」の選手だと思っているので、バルヴィンやトレイ(・ジョーンズ)をうまく生かしていくことが大事だと思います。

――そこができれば、ポジションを勝ち取ることができると?

 強度の面では、僕はもっとアグレッシブにできると思うので、運動量の豊富さを出していきます。

――五十嵐選手の加入で、刺激を受けるところはありますか。

 圭さんのスピードとシュート力は本当に素晴らしいと思います。それに、お手本になるプレーヤーに来てほしいなと思っていたので、圭さんからたくさん学んで、圭さんを超えられるように練習から頑張ります。

――今シーズンの目標を教えてください。

 個人賞にはあまり興味はないんですが、新人だけしか狙えない「新人賞ベスト5」に、(杉本)天昇と二人で取るのが個人的な目標ですね。チームとしてはチャンピオンシップに進出することです。

<了>

■練習初日の様子

練習前に集合し、ウィスマンHCの話を聞く選手たち
身長の高さが際立つバルヴィン
プレッシャーを受けながらのシュート練習に励むマイケル・パーカー
ヤル気に満ちていた山崎稜
2年目の上江田勇樹も懸命に練習に励んでいた
ケガからの復帰を目指す杉本天昇も順調に回復しているようだ
新加入の野本建吾。活躍が楽しみな選手の一人
生き生きと練習に励む選手たち
仲良くシュート練習をする菅原(左)と笠井
ペナルティーで走る五十嵐。思わず苦笑い
ハドルを組んで練習が終わった