山田耕介氏、ザスパ群馬GMに就任 「強い群馬を育てる」新体制が始動

ザスパの代表取締役であり高校の教え子でもある細貝萌氏と固い握手を交わす新GMの山田耕介氏(写真右)

 2月12日、前橋市内のザスパークで、ザスパ群馬の新GM(ゼネラルマネジャー)就任会見が行われた。前橋育英高校サッカー部を長年率いてきた山田耕介氏が、クラブのフットボール部門を統括する立場に就く。
 冒頭、代表取締役社長の細貝萌氏が、就任の背景を説明した。
「昨年、私は社長とGMを兼任する形でクラブ運営に携わってきました。その中で、GMに適している方はどなたなのかをずっと考えてきました」
 細貝社長は、今回の人事が短期的な判断ではないと強調する。
 「ザスパ群馬がどういうクラブでありたいのか。どんな選手を育て、どんな価値を地域に残していくのか。それをもっと明確にしなくてはいけないと感じていました。その結果、山田さんしかいないという決断に至りました」
 高校時代の恩師でもある山田氏について、細貝社長はこう語る。
 「僕のサッカーを築いてくれたのはこの方だと思っています。その経験を、今ここで戦っている選手たちやザスパ群馬に与えてほしい」
 期待するのは育成力だけではない。
 「僕らはプロサッカークラブなので、トップチームでどう結果を出すかが大前提です。ただ、クラブが拡大していくためにはアカデミーの育成も重要。そこにも関わっていただきながら、一緒に作り上げていきたい」

 山田GMは、打診を受けた経緯について次のように明かした。
 「去年の8月下旬に正式に打診を受けました。細貝社長から直接、『ザスパ群馬をもっと価値のある、そして勝てるチームに』と言われました」
 悩んだ期間は約3か月。決断は全国高等学校サッカー選手権大会群馬県大会終了後の11月下旬だった。
 「決断するということは、前橋育英高校を離れるということ。僕は前橋育英が大好きな人間なので、寂しい気持ちもありました。本当にこれでいいのかという思いもありました」
 それでも、新たな挑戦へ踏み出した。
 「ずっと私がやるのではなく、若い指導者にバトンタッチをして、自分はまた新しいチャレンジができる可能性がある。そちらで頑張ろうと踏み切りました」
 前橋育英については「今の先生方、コーチの人たちでやっていけると思っています」と信頼を口にしつつ、「何かあればサポートしながらやっていく」と話した。完全に離れる時期は「学校側と詳細に話し合いをしていく」としている。

 山田GMは、まず足元から取り組む姿勢を示した。
「選手、監督、コーチ、スタッフと顔が一致するようにしなきゃいけない。コミュニケーションを取って、強い群馬を育てるために何が必要かをやっていきたい」
 強くなるための条件として挙げたのは「共通理解」と「一貫性」だ。
 「こっちは違うサッカー、こっちは逆のサッカーではだめ。統一性がないといけない」
 さらに、選手の姿勢にも触れる。
 「人間的にしっかりしている選手でなければ結果は出ないと思う」
自身が目指すGM像については、「学んで、学んでというところから始まります」と語った。
 「学ぶことを忘れたら指導者は辞めなさいと、いつも言っています。全く同じで、学びながらザスパを強くできるよう手助けができれば」
 クラブ内での役割はトップチームにとどまらない。
 「強化部のトップなのはもちろんですが、ザスパ群馬のフットボール面のトップ。トップチームだけでなく、アカデミーも含めたサッカーのトップになります」
 育成については、即効性を求めない。
 「突然強くなるわけではない。ユースやジュニアユースのスタッフとよくコミュニケーションを取って、一日一日を大切に積み上げていきたい」
 将来像としては「ユースからトップチームに行けるようなチームになれば、もっと良くなる」と語った。

 細貝社長は、山田GMの存在がクラブにもたらすものをこう表現した。
 「山田GMの力は、僕にはないものがたくさんある。そこを最大限に生かしていくことで、まずは群馬県の方々にザスパ群馬が素晴らしいクラブだと伝えていきたい」
 2月8日に、アウェイで明治安田J2・J3リーグ百年構想リーグの開幕戦を迎える予定だったが、雪の影響で中止となり、ザスパにとっては2月14日が事実上の開幕戦になる。その開幕戦を前に、両者は共通して「準備」を強調した。
 細貝社長は、「ホームで開幕できることはポジティブ。しっかり準備して臨んでいきたい」と話し、山田GMもこう続けた。「我々にできることは最高の準備をすることだけ。日々の練習をやり続けるべきだと思います」
 高校サッカーで長年築いてきた指導経験を、プロクラブの現場へ。強化と育成の両輪を担う新体制が、ザスパ群馬の次の一歩を踏み出す。