プラスの言葉がけでチームの雰囲気づくりに取り組み、先輩たちが成し遂げた全国制覇の夢に挑む。
小田島泰成(おだじま・たいせい)
3年・内野手・キャプテン
2005年8月15日生まれ、高崎中央ボーイズ(安中市立第二中学校)出身、170㎝・66㎏、右投左打
――前橋育英のキャプテンとしてチームをまとめていますが、前橋育英で野球をやろうと思ったのはなぜだったのですか。
小さい頃から高校野球を見ていて、県大会で優勝して、甲子園で活躍していた前橋育英に憧れたのもあります。もう一つは、小学校の少年野球から中学のボーイズまで一緒にやってきて、ずっと背中を追いかけてきた1歳年上の岡田啓吾さんが前橋育英に入ったのも理由の一つです。
――他に、前橋育英で憧れの先輩は誰ですか。
丸山和耶さん(ヤクルト)です。2017年の夏の甲子園で大会記録タイの8盗塁という結果を残したんですが、丸山さんの活躍する姿を見ていてすごいなと思いました。
――憧れの前橋育英でキャプテンを務めています。チームをまとめる上で意識していることはありますか。
実は、新チームになる前から「自分がキャプテンをやるんだろうな」という予感はあったので、準備はしていました。指名されたときは、1年間、自分の色を出しながら、全力で引っ張っていこうと思いました。キャプテンとして意識しているのが、いい雰囲気を作ることです。具体的には、マイナスな言葉を言うんじゃなくてプラスの声かけをして、チーム内に良い雰囲気を生み出せるようにしています。キャプテンとしてプレーで引っ張るだけじゃなく、メンタル面までもしっかりと引っ張っていけるように意識しています。
――春の県大会では、準決勝で健大と対戦し、8回まで0-4とリードを許していましたが、9回表の攻撃で、一挙に4点を挙げて同点に追いつきました。しかし、9回裏に健大の先頭打者に走られ守備のミスも出て1点を失い、4-5と惜敗しました。この試合は相当、悔しかったのではないですか。
正直、終わった後は悔しくて、チームの士気が1回落ちたんです。でも秋から比べると、段々と健大との差は縮まっているのを感じました。この試合で自分たちは4エラーしているので、健大戦で課題が明確になったので、その課題を夏までにつぶしていかないといけないなと気持ちを切り替え、その課題をプラスにとらえました。一度だけですが、「夏までにどうしたらいいのか」を全員でしっかり話し合ったことがあり、そこで夏までの短い期間に自分たちが意識してできることは全力でやろうと決めました。それを意識してやっていけば、夏には結果がついてくると思います。
――秋の段階では、健大との差はどんなところで感じたのでしょうか。
自分たちは1年生大会で健大に0-7で大敗していて、昨秋に戦った時も1-4で負けたんです。バッティング、スイングスピード、守備力、ピッチャーの投手力と言ったところで健大との力の差を秋は感じました。特に1点しか点が取れなかったところに、バッティングの差を痛感しました。
――春には、健大から4得点を挙げ、1点差まで詰めました。夏に向けて自身の強化ポイントを教えてください。
バッティングで、長打を打つことと、単打で出た時に走るを心がけています。長打を狙える時は積極的に打っていき、単打で出たら丸山和耶さんみたいに走れるように練習に取り組んでいます。
春は塁に出た時に走れなくて、走ってもアウトになるような予感があって、少しビビッていたところがあったんです。夏までに盗塁の技術を磨いて、夏には塁に出たら走るという意識で試合に臨みたいと思います。
――チームとして守備の強化にどのように取り組んでいるのでしょうか。
守備面では、ピッチャーが打ち取った球をしっかりさばいていくことに力を入れて練習しています。春の健大戦ではそれができなかったので、取れるアウトをしっかり取ることを練習からやっているのと、無駄なミス、例えばキャッチャーのパスボールだったりというところを突き詰めていきたいと思っています。春の健大戦も2つ牽制ミスがあって、それが失点に絡んでいるんです。夏はミスが多い方が負けると思うので、ミスを減らすことを意識しています。
――この夏の目標は?
県大会で優勝して甲子園に出場することです。そして全国制覇です。新チームになったときから、この目標を掲げています。
自分たちは秋、春と負けてきて、もう夏しか勝負する場所がないし、甲子園優勝、全国制覇を狙えるのも夏しかないので、この目標を達成できるように頑張ります。
――将来は、プロを目指すのですか。
プロに行って活躍したと思っていますが、まずは大学に行って、自分の力をさらに磨いて、大学でも活躍できる選手になりたいと思います。
<了>