第2節の栃木シティ戦は、互いに攻めの90分になると予想。90分を通してザスパのサッカーを貫き、勝利をものにする。

 開幕戦をホームの正田醤油スタジアム群馬で迎えたザスパ群馬は、シュート11本を放つなど攻撃でFC琉球を圧倒したものの、相手ゴールを最後までこじ開けられず0-0で引き分けた。
 開幕戦で勝利を挙げられなかったものの、3542人の観客にザスパの新しいスタイルの超攻撃的サッカーを披露した。
 細貝社長代行は、「開幕戦で(勝利という)結果は出なかったんですが、チームの雰囲気はとても良いんです。選手たちの気持ちが充実している証拠です。監督の目指すサッカーを選手たちが理解しているのが大きいのかなと思っています」と満足気な表情を見せた。
 雰囲気づくりは、コーチングスタッフが意識して取り組んでいることでもある。細貝社長代行も「スタッフ同士の関係もすごく良いですし、互いにリスペクト(尊敬)し合って仕事をしていることが、選手たちに良い影響を与えているんだと思います」と細貝社長代行は語る。
 今季、ザスパが目指す超攻撃的なサッカーは、簡単にできるものではない。昨季、攻撃的な姿勢が欠けていたチームにとって、真逆のサッカースタイルを体現するのは難しい。だが、開幕までの約5週間の短い期間で、超攻撃的なサッカースタイルを見せてくれるまでに成長した。もちろん開幕戦で見せた超攻撃的サッカーは完成形ではない。
 「『このサッカーをやるのは時間がかかる』と沖田さんははっきり言っています。開幕前の1か月ちょっとしか経っていない中で、新たな選手も加わって、やりたいことが何も分からない状態から、開幕戦で『こういうサッカーをしていくんだ』というものを見せてくれました。時間が経てば間違いなくもっと良くなると思うので、早く結果がほしいなと思います」と、細貝社長代行は手ごたえを口にした。
 沖田監督も、超攻撃的なサッカーをサポーターに見せた選手たちをこう称えた。
「すごいことをやってくれたと思います。なかなか見ている人に伝わるようなサッカーを表現するのは簡単ではありません。開幕まで6週間もなかった中で、選手たちはよくやってくれたと思います。それに、開幕戦で超攻撃的なサッカーを表現するのは難しいことなんです。イージーなミスですぐに失点につながるし、キーパーも高い位置を取っているのでミスをするのが怖いと思うんですが、恐れずに超攻撃的なサッカーにチャレンジしてくれた選手たちはすごいと思います。このままやり続けていけば、もっと成長できると思いますし、選手たちがこの先どこまで成長するんだろうと期待を抱かせてもらいました。ワクワクする琉球戦でしたが、残念だったのは皆さんに勝利を届けられなかったことです。選手もその悔しさを感じていると思います」
 この悔しさが、栃木C戦へ向けた練習を充実させた。
 「先週より集中力のある練習が続いたので、選手なりに開幕戦を振り返ってそれぞれに思うものがあったんだろうなと思います」と沖田監督も選手の変化を感じていた。
 栃木C戦に向けて沖田監督は、「前節で選手たちは90分間よく戦ってくれたと思いますが、理想論から言えば前半はもっとやれたと思うんです。栃木C戦では、前半をさらに進化した状態にして、90分通して自分たちのサッカーをしたいと思います」と修正点を挙げた。
 栃木C戦でも、琉球と同じように自陣ゴールまで引いて守りを固める戦術を相手が取った時に、どうゴールをこじ開けるのかと沖田監督に尋ねると、栃木C戦では全く違う戦いになるとの答えが返ってきた。
 「琉球は、前から攻撃を仕掛けたかったんだと思いますが、途中でプラン変更してラインを下げたんです。それは僕たちが下がらせて、最後は時間稼ぎをする戦い方に追い込みました。しかし、栃木C戦では互いに攻めの90分になると思います。どちらが自分たちの色を長く出せかというゲームになるでしょう。見ていて面白い試合になると思いますよ」
 第2節で、チームはどんな成長した姿を見せてくれるのか。「見ていて面白い試合」で勝利を期待したい。試合は、今日の午後2時キックオフ予定だ。

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