今年で18年目のシーズンを迎える群馬ダイヤモンドペガサス。「優勝するために来てもらった選手たちです」と、1月19日に高崎市内の球団事務所で行われた新入団会見でこう語った高橋雅裕監督は、2016シーズンから4年間、平野謙監督の下で野手コーチを務め、2度ベガサスを日本一に導いた経験を持つ。昨季は、投手陣の怪我による戦線離脱などが響き8、9月に成績が低迷、リーグ3位でプレーオフに進んだものの、信濃グランセローズに1勝2敗で敗れ、リーグ優勝まであと一歩、力が及ばなかった。
その反省を生かし、今年は即戦力の投手5人を補強したほか、捕手2人、内野手1人と、練習生の外野手1人を獲得した。また、投手コーチとして巨人、日ハム、ソフトバンク、DeNA、MLBのレッドソックスで活躍した岡島秀樹氏を招聘。「コーチ業は初めてですが、日本やメジャーでの経験を選手たちに教えていきたい。中でも挑戦気持ちの大事さを伝えていきたい。このチームは優勝する力はあると思います。自分は投手コーチとしてチームのプラスになるために来ましたので、皆さんと優勝の喜びを分かち合えるように頑張っていきたい」と抱負を語った。今季の目標はリーグ優勝とその先の独立リーグ日本一だ。そのための戦力は整った。
以下に、新入団選手9人を紹介する。
投手 背番号19
三浦彰浩(みうら・あきひろ)
2002年6月12日生まれ、茨城県出身、霞ケ浦高校~常磐大学、172㎝・82㎏、右投右打
持ち味/テンポのいいピッチング
今季の目標/先発で投げること。
監督評/コントロールが良く、コーナーにしっかり投げ分けられる。変化球もいろんな球種が投げられる。ウチの既存の選手の中で榊原元稀にスタイルが近い投手。先発で期待。ゲームをしっかり作ってくれる投手。
投手 背番号20
阿部 恋(あべ・れん)
2002年4月20日生まれ、山形県出身、仙台育英学園高校~東北福祉大学、171㎝・76㎏、右投左打
持ち味/気づいた時にアウトを積み重ねている状況を作ることが得意
今季の目標/先発で出て、チームの目標が1位になることに貢献したい。
監督評/昨年までチームに在籍した阿部音音(ねね)の弟。ボールの強さ、球種も含め、中継ぎも先発も行ける投手だと期待している。140キロ後半の球を持つ。
投手 背番号26
本多太陽(ほんだ・たいよう)
2002年11月21日生まれ、静岡県出身、伊東商業高校~星城大学、172㎝・80㎏、左投左打
持ち味/リリースのアングルを変えられるところ
今季の目標/投球で相手を圧倒し、素晴らしい数字を出すことを目指していきたい。
監督評/ドラフト1位。信濃と競合しクジ引きで勝った。昨季、優勝した信濃が欲しいと思った選手なので、潜在能力がある。左の先発を競い合ってほしい。
投手 背番号31
髙橋主樹(たかはし・かずき)
2002年4月28日生まれ、岩手県出身、青森山田高校~東北福祉大学、178㎝・83㎏、右投右打
持ち味/コントロールと球の強さ、安定感
今季の目標/1試合でも多く投げること。そして投げさせてもらうからにはしっかり役割を全うしたい。
監督評/ボールに強さがある。ツーシームの変化にも素晴らしいものがある。スライダーなどカット系のボールも強く投げられる投手。抑え投手として期待している。ウチには荻野恭大というストッパーがいるが、彼を脅かすような存在になってくれると、チームとしての後ろ(抑え)の安定感が増す。大学時代に先発もやっていたので、先発、中継ぎ、後ろのどこで投げるのが良いのかはこれから判断。
投手 背番号53
加川航平(かがわ・こうへい)
2002年9月16日生まれ、群馬県伊勢崎市出身、伊勢崎清明高校~拓殖大学、172㎝・82㎏、左投左打
持ち味/ストレート
今季の目標/怪我なく1年を通して野球ができるようにしたい。
監督評/本人はストレートが持ち味と言っていたが、僕はスライダーが武器になると思っている。スライダーを生かすためには、ストレートが大事になる。期待が大きい投手。
捕手 背番号27
富浜琉心(とみはま・りゅうしん)
2007年2月16日生まれ、東京都出身、帝京高校、181㎝・87㎏、右投右打
持ち味/勝負強さ
今季の目標/打撃でチームに良い流れを持ってくること。
監督評/若く、体力もあり、練習が大好きという選手。高校時代に練習をする体力を養ったのは大きい。これから伸びていく大型捕手。またバッティングが非常にいいので、捕手で試合に出られなくても、DHでチャンスがありそうなスケールの大きい選手。
捕手 背番号55
宮下裕悟(みやした・ゆうご)
1998年8月6日生まれ、長野県出身、飯田風越高校~杏林大学~エスプライド鉄腕~BCL福井ワイルドラプターズ(2021)~NOL福井ネクサスエレファンツ(2022)~KAL宮﨑サンシャインズ(2023~24)
持ち味/守備力
今季の目標/チームとしてはリーグ優勝。そのために自分に与えられた責任をグラウンドの上でしっかり果たす。
監督評/バッティングも含め、思い切りの良い選手。昨年ウチにいた落合恭平に負けないものを持っている。捕手としてはインサイドワークがいい。早く投手陣の特徴を掴んで、シーズンを迎えてほしい。経験があり独立リーグを知っているので、大きな心配はしていない。
内野手 背番号2
鈴木寛太(すずき・かんた)
2002年4月30日生まれ、埼玉県出身、佐野日本大学高校~東海大学札幌キャンパス、177㎝・82㎏、右投右打
持ち味/広角に打てる打撃と安定した守備力
今季の目標/開幕からスタメンで出場し、少しでもチームの勝利に貢献できるように頑張ること。
監督評/バッティングが非常にしっかりしている。守備は三塁を守っていたが、他のポジションも含め考えている。守備力が伸びればレギュラーが近づく。ウチは左打者が多いチームなので、右打者が欲しかった。
外野手 背番号99
西濱永輝(にしはま・とうき)
2006年8月20日生まれ、群馬県太田市出身、関東学園大学附属高校、173㎝・77㎏、右投左打 *練習生契約
持ち味/バットコントロールと広角に打てる打撃
今季の目標/練習でしっかりアピールして選手契約をしてもらえるように頑張ること。
監督評/体力をつけるのに半年ぐらいはかかると思っている。ハングリーさを持って練習に取り組んでもらいたい。半年より早く上に上がってもらえれば、他の選手の刺激になると期待している。
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今季の新入団選手は皆、記者の目をしっかりと見ながら質問に応えていたのが印象的だった。特に捕手の宮下選手は、記者が前の質問に答えた選手のメモを取り終わるのを待って話し始めてくれたほど気づかいのできる選手だった。今季は高橋監督が「皆、力のある選手」と自信を見せたように、各選手の目の強さや表情からヤル気を感じ、選手の質の高さを感じた。
ルートインBCリーグの2025シーズンは、4月5日(土)に開幕する。
<了>