変化球の精度を上げ、チャンスで1本打ち、投打で活躍する
星野 空(ほしの・そら)
3年・投手
2005年12月21日生まれ、高崎市立塚沢中学出身、173㎝・74㎏、右投左打
商大附のエースとして、また3番打者として、攻守においてチームを創部初のベスト4入りに貢献したのが、星野空だ。今夏は好投手揃いの群馬県大会において、星野もまたその一角をなす選手である。
まず投手としての星野の魅力は、最速147キロのキレのあるストレートに、夏の大会に向け格段に精度が上がってきている変化球だ。
今春の準々決勝の樹徳戦で投げた68球すべてがストレートだった。その理由を「あの時は変化球の制球力がなかったので、真っすぐしか投げる選択肢しかなかったんです」と苦笑いをしながら教えてくれた。
変化球の持ち球は、カーブ、スライダー、チェンジアップ。「変化球の精度が良ければ、(体力を消耗せず)省エネで投げられた」と実感し、スタミナと共に制球力を磨いた。
春に見えたもう一つの課題は、高めの球を弾かれることが多かったこと。低めに投げるためにゴム糸を張った投球練習を行うなど、低めの意識を徹底した。
また夏の大会に向け、甲子園に出場したチームと対戦したことが刺激になり、「コースにしっかり投げなきゃいけない」という意識が芽生えた。
夏は、球速150キロを目指している星野。「投げる時のリリースのタイミングが決まれば球速も速くなるので、基本の軸足の使い方や体重移動、投球時の左肩の位置といった細かいところの調整に取り組んでいます」
打撃では、3番を任されるなどチームの中軸を担っている。
「春の大会で、甘いボールを捕らえられるかどうかで勝敗が決まうことに気づいたんです。春以降は、甘いボールを確実にとらえる練習にこだわって、先生と話し合いながら(バットに当たる)確率を上げる練習に取り組んでいます」
春の準決勝の明和県央戦は3-1で敗れており、「自分たちはチャンスで1本が出ないので得点圏打率が低いんです。バントをしっかり決めて得点圏にランナーを送る意識が低く、まだまだ甘いなと思いました」と、チームの課題を客観視する。そして、夏までに「チャンスで1本打てるバッターになりたい」と意気込む。
エースでもあり中軸を担う打者としても期待されることにプレッシャーはないのだろうか。
「両方やらなきゃいけないですけど、自分がダメでも橋(勇人)や瀬下(恵太)たちが打ってくれると思うので、自分は気楽に気負わずにやるだけです」
選手同士の仲がいいからこそ、互いを信じられるのだろう。
今夏は、仲間と共に春のベスト4以上の成績を残し、甲子園出場の夢をつかみ取る。春から一回りも二回りも成長した星野の姿に注目したい。
<了>