ファイナル ゲーム1
群馬クレインサンダーズ 94-90 茨城ロボッツ
[1Q]群27-17茨 [2Q]群26-24茨 [3Q]群22-21茨 [4Q]群19-28茨
2021年5月22日(土)太田市運動公園市民体育館 観客1410人
B2優勝をかけ、茨城ロボッツとのファイナルに臨んだ群馬クレインサンダーズ。第4Qに15点差をひっくり返されるも、マイケル・パーカーのシュートで逆転に成功。94―90で接戦をものにしたファイナル ゲーム1を振り返った。
取材/Eikan Gunma編集部
B2王者への意地をかけたファイナル初戦。第1Qの序盤は、茨城のアブドゥーラ・クウソー(昨季までサンダーズに在籍)のリバウンドに苦しめられたが、徐々にサンダーズがペースをつかむ。トレイ・ジョーンズの速攻をはじめ、ジャスティン・キーナンが13得点を挙げる活躍を見せ、27-17と第1Qで茨城に10点差をつけた。
第2Q残り6分25秒で、ターンオーバーから福澤晃平に速攻でレイアップシュートを決められ7点差まで詰められるものの、すかさず平岡富士貴ヘッドコーチ(以下、HC)がタイムアウトを取り、茨城に傾きかけた流れを切った。その後、ブライアン・クウェリ、ジャスティン・キーナン、トレイ・ジョーンズらのシュートで53-41とわずかにリードを広げ、後半へと折り返した。
「ディフェンスで緩みが出た」と平岡HCが言うように、4Qに形成が逆転。このクオーター最初の得点となるキーナンのジャンプショットで15点差をつけたものの、徐々にオフェンスが停滞。平尾充庸に速攻で走られるなど、わずか6分間で茨城に15点差をひっくり返された。
「1点リードされたときは、私自身、覚悟しました」と、平岡HCは勢いの増す茨城に負けを意識したが、残り2分9秒の茨城ベンチのテクニカルファウルで、再びサンダーズに流れが戻った。そのファウルのフリースロー1本をジョーンズが決め、85-85の同点に持ち込んだのを契機に、サンダーズの攻撃の勢いが増した。マイケル・パーカーがジャンプショットとバスケットカウントで3点を加えると、ジョーンズのアウトサイドシュートでさらに2点を追加。クウェリがオフェンスリバウンドからレイアップを決め、92-85と茨城を突き放した。このままでは終われない茨城も残り14秒に、チェハーレス・タプスコットのオフェンスリバウンドから福澤晃平が3ポイントシュートを決め92-90とわずか2点差に迫った。
この直後、平岡HCは後半2回目のタイムアウトを取り、「(茨城の)シューター陣に打たせない。時間をしっかり使いなさい」と指示。タイムアウト明けのスローインでは、最初にトレイ(・ジョーンズ)にボールを持たせようと思っていた」(平岡HC)が、フロントコートからのパーカーのスローインで、ボールを受けるはずのジョーンズが相手と接触して滑ったため、クウェリにパス。ゴール下に走り込んだパーカーがクウェリからのパスを受け、豪快にダンクを決めた。パーカーのとっさの判断が奏功し、残り11秒で4点差にリードを広げた。
今度は茨城が後半3回目のタイムアウト。平尾の3ポイントシュートで点差を詰める作戦に出たが、その3ポイントは決まらず、タプスコットがオフェンスリバウンドを取って、福澤がジャンプショットを狙うものの、クウェリのブロックショットに阻まれ、タイムアップ。94-90とサンダーズが接戦を制し、ファイナル初戦をものにした。
15点差をひっくり返す猛追を見せた茨城のリチャード・グレスマンHCは、「4Qで追いつけたのは、我々のテンポでプレーできたことが要因。ディフェンスのところでしっかり相手の攻撃を止め、速いテンポのトランジションでスコアできていました」とサンダーズにあと一歩と迫った場面を振り返った。そして、「群馬は平均で90点近くとっているB2でも最強の攻撃力を持つチーム。そういうチームにはより失点を抑えなければならない。群馬は決めきる力があるので、少しのミスも許されない。明日のゲームでは相手を80点台、それ以下に抑えて、少なくとも明日のゲームでは94点は取られないようにしないといけない」と、明日の勝利へのキーポイントを語った。
一方、平岡HCは、前半は優位に試合を進めながらも、第4Qに逆転を許すなど苦しい展開になったことに、「最後は非常に速い展開になってしまった。タフショットになってしまったり、ボールが回らなかったり、オフェンスでもディフェンスでもチームとして機能していなかった」と反省を口にした。翌日の試合に向けては、「東地区優勝、B1昇格、ホームで無敗(を達成)。(B2優勝は)今、自分たちがチャレンジできることだと思いますし、何としてでもホームで負ける姿を見せないように、明日は死に物狂いで頑張りたい」と、気持ちを切り替えた。
<了>