クオーターファイナル ゲーム2
群馬クレインサンダーズ79-60 山形ワイヴァンズ
[1Q]群12-13山 [2Q]群19-15山 [3Q]群27-19山 [4Q]群21-13山
2021年5月9日(日)太田市運動公園市民体育館 観客1128人
レギュラーシーズンを32勝5敗、勝率.912と、東地区優勝、プレーオフ出場順位1位で終えた群馬クレインサンダーズ。プレーオフは「自分たちがどれだけ強いか、どれだけ力があるかを証明するチャンス」(平岡富士貴ヘッドコーチ、以下HC)と捉え、目標である「B1昇格、B2優勝」をかけてクオーターファイナル(準々決勝)、セミファイナル(準決勝)、ファイナル(決勝)を戦った。
ここでは、5月9日(土)に太田市運動公園市民体育館で行われた山形ワイヴァンズとのクオーターファイナル第2戦を振り返った。
取材/Eikan Gunma編集部
「今日は入りがスローテンポでしたが、こういう状況になることは選手たちに伝えていたんですが、なかなか自分たちの時間帯が来ない中で、我慢強くディフェンスできたのかなと思います」と平岡HCが試合後の会見で話した通り、スタートがよかった昨日とは一転、第1Qから山形にリードを許す展開だった。山形の得点源であるアンドリュー・ランダルを0点に抑えたものの、キース・クラントン、河野誠司、中島良史にシュートを決められ、6-13と流れが悪い状態に陥ったが、サンダーズはジャスティン・キーナンのディフェンスリバウンドからマイケル・パーカーの速攻や、笠井康平のレイアップシュート、キーナンのジャンプショットで12-13と、第1Q終了時点で1点差まで追い上げた。
第2Qは、山形の秋山熙とランス・グルボーンの3ポイントシュートで逆転されるも、サンダーズも笠井の3ポイントシュートで26-26の同点に持ち込んだ。「相手のディフェンスがトレイ(・ジョーンズ)のところに寄っていた印象があったので、トレイから来たパスはしっかり狙おうと思っていました。トレイからすごいいいパスが来たので、自分でも気持ちよく打てました」と笠井。
山形を引き離したのは第3Qの残り5分を切ったところから。(2Q終了後の20分間の)ハーフタイムで、「ディフェンスの強度を上げることと、オフェンスではパスを回してオープンな選手を作り、フィニッシュまで持って行く」(キーナン)ことをチームで確認。コートに立つ選手たちの総意で、インサイドとアウトサイドの両方から得点でき、チームの信頼が厚いキーナンにボールを集めたことが功を奏し、徐々に山形との点差を広げていった。試合は、キーナンが30得点10リバウンド、マイケル・パーカーも14得点10リバウンドと2 人が「ダブルダブル」の活躍を見せるなど、チーム全員で戦った結果、79-60で山形を下し、15日から始まるセミファイナルに駒を進めた。
プレーオフでは、B1ライセンスを持つ2チームがB1に昇格できるため、セミファイナルで2勝するとB1への昇格が決まる。しかも、サンダーズの対戦相手はレギュラーシーズンで2敗している越谷アルファーズに決まった。万が一、セミファイナルで越谷に2敗しても、越谷はB1ライセンスを持っていないため、サンダーズが3位決定戦で勝てばB1昇格が決まる。プレーオフ前に、平岡HCが「6ゲームで終わらせよう」と選手たちに言ったように、セミファイナルでB1昇格を決めたい。
次週のセミファイナルに向け、キーナンと笠井はこう抱負を語った。
「僕もいろんな国でプレーオフや決勝を戦ったりしたが、40分間気を抜かずにタフなゲームができれば勝てる。越谷はフィジカルが強いので、集中力を切らさず平岡HCのバスケットを遂行できれば勝てる」(キーナン)
「僕自身、結果を求めて群馬に来たのもあるので、レギュラーシーズンにあれだけ勝ったことも一つの結果ですが、ステージをB2からB1に上げるのが一番の結果だと思うので、僕自身、次の試合にかける思いはすごく大きい。絶対に勝って、B1昇格を決めて、その翌週のファイナルでも勝って、B2優勝を決めたいという強い思いがあります。次も頑張りたい」(笠井)
2018-19、2019-20シーズンに平岡HCの下でサンダーズのアシスタントコーチを務めていた高原純平氏がヘッドコーチを務める越谷アルファーズに決まったことに対し平岡HCは、「(トレイ、キーナンがチーム合流した直後の)レギュラーシーズン2節目で連敗しているチームですし、その後の試合では勝っているんですが、越谷さんも我々の状態を図るべく、メンバーを変えながら戦っていた印象があります。強力なアイザック・バッツ選手のインサイド、クレイグ・ブラッキンズ選手というB1で活躍していた選手もいますし、日本人選手もB1から補強されていて、非常にいいバスケットをしているなあという印象がありますので、なんとか少しでも苦しめられればなと考えています」と抱負を語った。
Bリーグ誕生から5シーズン目で、群馬クレインサンダーズのB1昇格なるか――。
<了>